「広島３－６巨人」（４日、マツダスタジアム）

　静寂の中、快音を残した打球は左中間スタンドへと吸い込まれていった。広島・九里亜蓮投手はマウンド上で立ち尽くした。

　３点リードの六回、先頭の香月に安打、続くポランコは四球で歩かせた。岡本和には３ボールから投じた変化球が真ん中に入った。痛恨の同点３ラン。

　「四球も多かったですし、野手の皆さんが失点を阻止してくださって、点を取ってもらった後に打たれてしまったこと、本当に申し訳ないなと思いますし、中継ぎにも申し訳ないです」

　反省の弁ばかりが口を突いた。

　序盤から制球に苦しみ四球を連発。三、四、五回と３イニング連続で得点圏に走者を置き、安打を打たれたが、中村健や西川の好返球に助けられた。

　五回の攻撃では自ら安打でチャンスメークし、先取点につなげた。にもかかわらずリードを守ることはできなかった。

　佐々岡監督はぶ然とした表情。

　「六回も結局、四球、３ボールからガツンですから。まあ、そこでしょうね。きょうは。こういう投球が九里の場合はある。だからこそしっかりやってもらわないと」

　試合前まで防御率トップ。エース大瀬良に次ぐ柱と期待するからこそ言葉は厳しくなった。