広島・森下 1失点完投&4打点 大車輪“二刀流”で阪神戦4連勝導いた
「阪神1-9広島」(9日、甲子園球場)
二刀流の元祖エンゼルス・大谷もビックリだ。広島・森下暢仁投手(24)が投げては昨年4月6日・ヤクルト戦以来となる1失点完投で2勝目。打ってはスクイズを決め、満塁で走者一掃の三塁打で4打点。球団投手の4打点は、1984年に満塁本塁打を放った津田恒美以来の快挙。投打に大車輪の活躍で、チームを阪神戦4連勝へ導いた。
133球目、148キロで代打・山本を二飛に打ち取ると、森下はようやく笑顔を見せた。ナインと勝利のハイタッチが心地よい。1年ぶりの完投はプロ3年目で通算20勝目の区切りとなった。
7安打1失点で8奪三振の投球だけでなく、打撃でも貢献した。
二回、先制してなおも1死一、三塁から6球目にセーフティースクイズを決めた。1球ごとにバント、セーフティースクイズ、スクイズとサインが変わる中、見事に対応した。
さらに三回2死満塁では秋山の137キロを右中間へはじき返す走者一掃の三塁打。三塁塁上で思わずガッツポーズが飛びだした。
「初めての三塁打だったので、めちゃくちゃうれしかったです」
球団では14年8月2日・巨人戦(東京ドーム)の大瀬良以来となる投手の三塁打。投手の1試合4打点は、1984年に満塁本塁打を放った津田恒美以来の快挙。これで今季は10打数4安打、打率・400で7打点。打点はリーグ9位タイにランクインした。
「チームも(打線が)つながっているので自分がブレーキにならず、とにかく打ちにいくという意識でやっている」
プロ入り以来、打点を挙げれば5連勝のおまけも付いてきた。
完投にも大きな意味がある。前夜は延長12回引き分け。ブルペンからは6投手が緊迫のマウンドへ向かった。
「昨日、みんな本当に頑張ったと思うので、今日はできるだけ長くという思いでした」
初回は1死一、二塁のピンチを迎えるが、佐藤輝を左飛、大山は151キロで空振り三振に打ち取った。四回無死で佐藤輝にソロを浴びたが、最後まで危なげなく投げきった。
昨オフ以来、森下は開幕投手を熱望した。目指すべきところはエースであると思うからだ。
「チームメートから安心して任せられるような選手でいたい。球界を代表できるような投手になりたい」
チームが苦しいときに助けられるような存在に。背番号18は言葉通り投打で勝利へ導いた。
◆打撃でも活躍した広島投手 森下が三塁打を含む4打点で打って投げての活躍。広島投手の1試合4打点は84年5月13日・ヤクルト戦で満塁本塁打を放った津田恒美以来。三塁打は14年8月2日・巨人戦(東京ドーム)の大瀬良以来。シーズンを通しての打点は池谷公二郎の78年10打点、大瀬良大地の18年の9打点などがある。




