広島・大瀬良 8勝目!7回2失点粘投でG倒 2年ぶり2ケタ星グイッ!

 ヒーローインタビューを終えファンの歓声に笑顔で応える大瀬良(撮影・立川洋一郎)
 7回2失点の好投を見せた大瀬良
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 「広島6-2巨人」(8日、マツダスタジアム)

 広島の大瀬良大地投手(30)が力投でチームを鼓舞した。7回を投げて7安打2失点で8勝目。序盤に2点を失ったが、それ以降は要所を締める粘り強い投球で得点を許さなかった。残り試合数も少なくなる中、2019年以来2年ぶりとなる2桁勝利へも望みをつないだ。右腕の奮闘に打線も応え、チームは3連勝を飾った。

 あふれ出る気迫を前面に押し出した。同点の五回2死一、三塁。大瀬良は丸に対してフルカウントになった。無失点を願うスタンドのファンから注がれる拍手。背中を押してくれた。最後は7球目、内角カットボールで詰まらせ二飛。安部のグラブにボールが収まると、グラブと右手を力強く合わせて喜んだ。

 出はなをくじかれても、大崩れはしなかった。初回は先頭の松原に“初球先頭打者弾”を浴びた。二回にはウィーラーの適時打で2点目を献上。二回までに5安打を集められ、「どれだけ(点を)取られるのか」と不安が頭を支配したが、三回からは「“いつもと違う大瀬良”でいこう」と割り切った。施した修正が奏功し、三回からは無失点に封じた。

 気迫の守備も見せた。六回1死で大城の打球を一塁・坂倉が捕球できず、二塁・安部がバックアップして捕球。ベースカバーに入った右腕は両足が一直線になるほど足を伸ばし「勝ちたい一心だった」。間一髪アウトを奪うプレー。闘志をみなぎらせて、勝利の女神を振り向かせた。

 昨年、大瀬良は一冊の本に出会った。ソフトバンク・和田毅の著書で、思考法や練習法などについて述べられたもの。日本通算143勝の偉大な先輩左腕の考えに触れ、「走ることへの考え方は感銘を受けたというか。和田さんも、めちゃくちゃ走ると聞く。あれだけの選手がそうやって結果を残されていると説得力もある。僕も同じような考えを持っていた」と何度もうなずいたという。

 合理的な練習、効率化が重視される中、重視するのは走り込み。2軍スタートだった春季キャンプも、若手を抜いて常に先頭を走った。「キツいことをする時代ではなくなってきていると思うけど、僕は必要なことだと思う」。揺るぎない信念が、背番号14を支えている。

 佐々岡監督は「しっかり修正して、そこで崩れないのがエース」と投球をたたえ「2桁は最低限の目標だと思う」と残り3試合の登板を示唆した。「みんなで勝てるように、ファンの皆さんと一緒に戦いたい」と大瀬良。深まる秋とは対照的に、エースが熱く、そして力強く腕を振る。

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