広島・菊池涼434連続無失策 セ記録「守備だけは、と思って毎日」胸張る

 延長10回、若林のバントでベースカバーに入る菊池涼(撮影・金田祐二)
 延長10回、中島の二飛を抑える菊池涼
 7回、丸の二ゴロをさばく菊池涼
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 「巨人5-5広島」(15日、東京ドーム)

 広島の菊池涼介内野手(30)が二塁手としてのシーズン連続守備機会無失策を434に伸ばし、セ・リーグ記録を更新した。1993年の和田豊(阪神)が記録した432を27年ぶりに塗り替えた。今季は91試合に出場していまだ無失策だ。打撃でも3安打の猛打賞。チームは延長十回引き分けに終わった。

 金字塔を打ち立てた後でも、光景が変わることはない。サヨナラ負けのピンチを迎えた場面で生まれた勲章。目の前のワンプレーに集中力を研ぎ澄ませ、アウトを重ねてきた菊池涼。「いつもシーズンはエラー0で終えるという信念でやってきた」。二塁手としてのシーズン連続守備機会無失策を434に伸ばし、93年・和田豊(阪神)のセ・リーグ記録432を27年ぶりに更新した。

 前日の試合で4度の守備機会をこなし、リーグ記録まで「4」として迎えた一戦。初回1死無走者で松原の二ゴロを無難に処理すると、二回は無死二塁で丸の二ゴロを処理。五回は1死無走者で田中俊の二ゴロをアウトにして“王手”を掛けた。そして同点の七回だった。2死無走者で、かつての同僚・丸が放った平凡な打球を確実に捕球し、一塁・松山に送球してタイ記録とした。

 緊迫した接戦の中、延長十回1死一塁で若林の犠打で一塁ベースカバーに入って新記録達成。さらに2死後に中島の飛球をさばき、記録を伸ばした。「開幕から打撃がダメで迷惑を掛けた部分がある。それでも『守備だけは』と思って毎日やってきたことの積み重ね」と名手は少しだけ胸を張った。

 プロ2年目の13年から昨年まで、二塁手としては歴代最長となる7年連続でゴールデングラブを獲得。誰もがヒットと思った打球に追いつき、アウトをもぎ取る異次元の守備力で、チームを何度も救ってきた。不断の努力の積み重ねで球史に名を刻んだ。

 バットでもクセ者ぶりを存分に発揮した。先頭で迎えた三回は右前打で出塁。五回も先頭で遊撃内野安打。八回は1死二塁でビエイラの156キロをコンパクトに捉えて左前へ運んだ。攻守にわたる献身的なプレーに、佐々岡監督は「当然、投手を助けてくれている。シーズンを戦っている中で、無失策はすごいこと」と最敬礼した。

 この日の守備機会は6度。無失策でシーズンを終えれば両リーグを通じて初の快挙となる。「守りは僕の持ち味。打撃と比べて勝利に直結しないかもしれないけど」と菊池涼。未知なる領域へ、鉄壁の守りでチームを鼓舞し続けていく。

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