優勝マジックお預けも…緒方監督は泰然 誠也も余裕 連勝ストップもショックなし
「ヤクルト10-4広島」(2日、神宮球場)
広島がヤクルトに敗れ、球団史上最速(過去は昨年の8月8日)となる優勝へのマジックナンバー点灯はお預けとなった。しかし緒方孝市監督(49)は試合後に切り替えを強調。先発・原からチーム初安打を放った4番鈴木も前向きな言葉を並べた。優勝マジックは最短で4日。“自分超え”は十分、可能性を残す。
神宮球場に東京音頭が鳴り響く中、試合後のナインは前だけを見つめていた。球団最速となる優勝マジックナンバー点灯は4日以降に持ち越しとなった。通算300勝に王手をかけていた緒方監督は「攻撃陣は最後までしっかり1打席1打席、無駄のない打席をやってくれた。今日はもう終わったので、また切り替えて」と強調した。
前夜は5年ぶりに1試合6本塁打を記録。1~4番までに一発が飛び出すなどチームの雰囲気は最高潮だったが、この日は初回から劣勢の展開だった。先発・岡田が初回からいきなり4失点。2番手・薮田、3番手・飯田ら中継ぎ陣もズルズルと失点を重ね、ツバメ打線の餌食となった。
好調の打線もカモにしていた原に四回までパーフェクトに封じられた。それでも五回に先頭・鈴木がチーム初安打。4点を追う七回は7番安部の右前適時打で1点を返すなど、反撃ムードを高めた。八回には代打メヒアがプロ初本塁打を記録。リーグ3連覇へ突き進む中、また新たな戦力が台頭の予感だ。
7点を追う九回も2死から途中出場の西川が中前打。続く田中が右中間へ適時三塁打を放ち、守護神・石山から得点を刻んだ。ビハインドの展開もゲームセットまで諦めない。敗れはしたが、持ち味は存分に発揮した。
試合後、1安打2四球を選んだ鈴木は「やることはやりました。今日は負けてしまったけどその前の試合はいい試合ができていた。最後の粘りも明日につながると思います。また明日、試合があるのでへこむことはない」と前を向いた。
3日からは敵地・横浜でDeNAと3連戦を戦う。最短で4日となった優勝マジックではあるが広島がDeNAに連勝、自力優勝の可能性を残す阪神対ヤクルトが引き分けた場合に「41」が点灯、と条件も多く、高ヘッドコーチは「全然気にしていないよ」とケロリ。連勝ストップもショックはなし。歓喜の瞬間だけを見据えて、不動心で目の前の試合に臨むだけだ。




