丸、29日開幕交流戦までに復帰へ 緒方監督熱望「今すぐにでも代打で」

 広島・緒方孝市監督(49)が13日、右ハムストリング(太もも裏)筋挫傷で離脱中の丸佳浩外野手(29)の早期1軍復帰を熱望した。不在でも現在首位を走るが「今すぐでも代打で使いたい」と、リーグ3連覇への重要な期間となる29日開幕の交流戦に間に合わせる青写真を描く。廿日市市内の大野練習場でリハビリを進める丸自身も「一日でも早く行ければ」と意欲を示した。

 チームをけん引してきた丸の離脱から2週間。球団史上初のリーグ3連覇へ、欠かせない存在が一日でも早くグラウンドに舞い戻って来て欲しい-。緒方監督は力を込め、その思いを言葉に乗せた。

 「今すぐでも代打で使いたい。ゆっくり調整させる時間は与えない。下(ファーム)で走れたら上げる」

 それだけ復帰を待ちわびている。今季も「3番・中堅」で攻守で安定感を示し、首位を走る原動力となってきた。右ハムストリング筋挫傷で4月29日に出場選手登録抹消となってからは全員でカバー。3番を担うバティスタは2番・菊池との“キクバティ”コンビで活躍を続け、センターは野間らが奮闘し、貯金10は今季最多を数える。それでも700試合連続で出場してきた昨季MVP男はかけがえのない存在だ。

 丸自身も早期復帰への足取りを着実に進めている。8日からはティー打撃、12日からはマシン打撃を開始。この日も廿日市市内の大野練習場でキャッチボールやマシン打撃などを行った。「違和感なくできている」とうなずき、福永3軍チーフトレーナーも「非常に順調だと思います」と説明した。

 ただ、走塁に関しては現在、軽いジョギングができる程度。今後は患部の状態を見ながら加速走などのステップを踏み、全力で走れるようになればスパイクを履いた動きに進む予定だ。

 その中でも、指揮官は「交流戦までには絶対間に合わせる」という強い希望を持つ。29日の西武戦(三次)から始まるパ球団との全18試合で好結果を残すことが、3連覇へ必要不可欠。丸は昨季交流戦で12球団最高打率・411をマークし、MVPに次いで各リーグ1人ずつ選ばれる日本生命賞に輝いた。パの主催試合では指名打者で起用する選択肢があるのも、故障明けには好材料だ。

 新井が11日に昇格し、上昇ムードが漂うチーム。丸も復帰すれば独走態勢はさらに強固なものになる。「一日でも早く(1軍に)行ければいい」と表情を引き締めた背番号9。その時へ向けて、強い意欲で前へと歩んで行く。

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