誠也悔し…先制打も白星つながらず 逆襲へ…マツダでは“神る”
「日本シリーズ・第5戦、日本ハム5-1広島」(27日、札幌ドーム)
悔しさは胸の奥に封じ込め、淡々と振り返った。苦しんできた広島・鈴木誠也外野手が、日本シリーズ初適時打となる先制打。敗戦の中でつかんだきっかけは、必ず逆襲へとつなげる。
初回2死一、三塁だった。3ボールから加藤の直球をスイング。ファウルとなったが、「打てるところと思ったのでそこは変わらない」。シーズンのような思い切りのよさを感じさせると、続く5球目。外角フォークを逆らわずに打ち返した。
打球は加藤の差し出したグラブの横を抜けて、二遊間も突破。日本シリーズ18打席目にして飛び出した初適時打。試合中は広報を通して「先制点をまず取れてよかったです!」とコメント。この試合まで日本シリーズの打率・182と苦しんできた不動の5番打者は、右拳を突き上げて一塁へ走りだした。
リーグ優勝の立役者が連敗脱出へ突破口を開いた。だがこの1点だけでは、悪循環を断ち切るまでには至らなかった。鈴木も2打席目以降は波に乗りきれなかった。三回無死一塁では遊ゴロ。六回1死、八回2死一塁も快音は響かなかった。チームは北海道で3連敗。日本ハムに日本一へ王手をかけられた。
ただ、29日からは再び広島に戻る。再び真っ赤に染まったマツダスタジアムの後押しを受けて戦える。「2試合しかないので、普通に思い切り野球がしたい」。大ブレークを果たした2016年もいよいよフィナーレだ。逆転日本一へ。もう一度、“神ってる”活躍が見たい。





