安部 九回2死から執念同点打「真っすぐ一本…覇気でつぶした」

 「日本シリーズ・第3戦、日本ハム4-3広島」(25日、札幌ドーム)

 右拳を握り、一塁ベンチへ絶叫しながら走った。敗戦まであとアウト1つ。広島・安部が起死回生の同点適時打だ。勝利にはつながらなかったが、確かな爪痕を残した。

 九回。先頭の鈴木が右越え三塁打を放った。しかし、エルドレッドと松山が凡退。土俵際まで追い詰められた2死三塁で打席に立った。

 迷いはなかった。初球。「真っすぐ一本でいった。覇気でつぶした」。谷元の真ん中高めに浮いた146キロを強振。鋭いゴロで一、二塁間を破った。

 両ふくらはぎがつっても続投しようとした黒田の姿に背中を押された。「ああやって両足がつるぐらい投げてくれた。期待に応えるというか、結果で応えたかった」。一塁上では一塁ベンチで声援を送る先輩へ向けて拳を突き出した。

 第1戦以来の先発。試合開始から集中力を見せた。初回無死の守備。西川の三塁線のゴロを捕球すると、厳しい体勢から一塁へ落ち着いてワンバウンド送球。クセ者の出塁を阻止して、黒田を後押しした。五回無死は中前打。攻守で起用に応えた。

 CSファイナルSは3試合で8打数無安打。だが、悔やむよりも前を向いた。「(下位打線でも)走者を置いた場面で回ってくることが多いけど、やりがいがある。どんな形でも点が入るようにしたい」。日本シリーズでは第1戦に2安打を放ち、この試合も2安打。同級生の“タナキクマル”に劣らない存在感を見せた。

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