ミスター完投の引き際 黒田に引退を決断させたエースの矜持

 今季限りでの現役引退を表明し、記者会見する広島の黒田博樹投手=18日夜、広島市
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 現役引退を表明した広島・黒田博樹投手(41)が18日、広島市内のホテルで記者会見を行い、決断に至った理由を明かした。「すごく大きかった」と続けたのは25年ぶりのリーグ優勝。日本シリーズ進出を決めたことと、22日の開幕直前は避けたい思いから、発表時期をこの日に定めた。

 加えてエースとしての矜恃(きょうじ)が引退を決断させた。「先発完投。9回投げられない体になった時、他の選手に示し、見せることのできない、歯がゆさが常にありました」。“ミスター完投”と言われた男。今季の完投、完封は4月2日の巨人戦(マツダ)のみで、5月8日に「頸部(けいぶ)の神経根症と、右肩痛」で抹消されて以降は、満身創痍(そうい)の投球が続いた。

 緒方監督も「『すみません』という一言がいつもあった。投げ抜きたい思いが常にあった。その言葉を聞くたびに彼の思いが伝わってきた」と明かす。先発投手として、エースとして、マウンドは譲りたくない-と、プロ20年間の投球回数は、日米通算3340回2/3に達した。

 米大リーグ・ドジャースに在籍した2010年から7年連続の2桁勝利を挙げながら、エースの思いを持った引退決断。「引き際を間違えないために、いままで一生懸命やってきた。こういう引き際を選ぶことができたのは、よくやったかなと思います」と静かに笑った。最後までエース黒田だった。

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