広島、完全優勝じゃ! エルド2打席連発でセ界制圧

 完全Vじゃ。広島が巨人との今季最終戦を制し、10年ぶりとなる2年連続の巨人戦勝ち越し。ブラッド・エルドレッド内野手(36)の2打席連続本塁打で今季44度目の逆転勝利を飾った。これでセ全球団に勝ち越しての完全優勝。1975年、86年に次ぐ、球団30年ぶり3度目の快挙となった。

 フルスイングで力を「証明」した白球は、ライナーで左中間スタンドに到達した。節目の通算100号本塁打は、起死回生の逆転20号2ラン。決めたのはエルドレッドだ。2打席連発でCS前哨戦を制すると共に、来季残留を猛アピールするアーチになった。

 「これが自分の力。ラインアップに入っていれば、何かを起こすことができる。今日はそれを証明できた」

 1点を追った七回無死一塁。内角低めの直球を狙った。見逃せばボール球だったが、ライナー性の打球は、そのまま左中間スタンドに到達。衝撃音とともに、1球で試合をひっくり返した。

 通算279人目。広島の助っ人では、ライトル、ロペス、ギャレットに次ぐ4人目の偉業だ。「非常に大きな金字塔だ。毎日のようにプレーしないとできない」。続く八回は2死一塁で宮国から左中間に21号2ラン。滞空時間の長い放物線。今季4度目のマルチ本塁打でダメを押した。

 リーグ優勝を決めた10、11日以来の東京ドーム。今季を象徴する44度目の逆転勝利で、巨人に10年ぶりとなる2年連続の勝ち越しを決めた。セ全球団に勝ち越しての完全優勝。1975年、86年に次いで、球団30年ぶり3度目の快挙だ。2週間後に迫るCSファイナルSを前に、2位・巨人との“前哨戦”に勝利。記録的な1勝となった。

 「巨人に勝ち越せたのは大きい。CSはどのチームが来ても自分たちの野球をするだけ。われわれはリーグで一番。いや12球団で一番のチームだ。どこが相手でも変わらない」

 来日5年目。助っ人陣の精神的支柱は、球団最長タイの6年目となる来季残留を熱望する。巨人には田口、内海。DeNAには石田、今永。CSでも左投手との対戦がカギを握る。「試合間隔が空いて難しさもあるが、しっかり調整したいね」とエルドレッド。一振りで流れを変える力が魅力。ポストシーズンもフルスイングで、32年ぶりの日本一を導く。

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