鯉の執念 九回に一瞬夢見た“逆転劇”巨人負けてM13に

 「中日7-5広島」(28日、ナゴヤドーム)

 スタンドに詰めかけた鯉党をただでは帰らせない。2-7の九回、完敗ムードが漂う中、広島・丸佳浩外野手(27)の17号2ランなどで3点を奪い、2点差に。一発同点の場面まで攻め立てたが、あと一歩及ばなかった。チームの連勝は「4」でストップも、優勝へ突き進む鯉打線の勢いは止まらない。巨人も負けてマジックは一つ減って「13」。30日からは本拠地でDeNAとの3連戦に一戦必勝で臨む。

 どれだけ点差を広げられても勝利への執念は失わない。打席では1球にこだわり、出塁すれば一つでも先の塁を狙う-。今季、73勝のうち39勝が逆転勝利のチームが最終回に見せた粘り。結果的に黒星を喫したが、最後まで諦めない姿勢が光った。

 2-7の九回だ。菊池が2ストライクと追い込まれながら四球で出塁。続く丸は田島の失投を見逃さず右中間席に突き刺した。「しっかりと振り切ることができた」。納得の17号2ラン。一振りで追撃ムードに火をつけた。

 流れに乗った堂林がしぶとく左前打。鈴木とエルドレッドが2者連続三振に倒れたが、梵の代打・西川が右前打でつないだ。2死一、二塁と中日バッテリーにプレッシャーをかけると、たまらず田島が暴投。相手のミスで1点を加え、2点差まで追い詰めた。

 なお2死二塁。一発出れば同点だったが、会沢が空振り三振。ミラクル逆転劇はならなかったが「精神的、肉体的にも疲れがたまってくる時期だけど、野手陣は頑張っている。継続していってほしい」と石井打撃コーチ。最後までしぶとく攻めた攻撃陣をたたえた。

 23日から始まった敵地での6連戦。2位・巨人に初戦こそサヨナラ負けを喫したが、翌日の24日は逆転勝利で優勝マジック「20」を点灯させた。巨人、中日を相手にビジター6連戦は4勝2敗。そのうち3勝がビハインドをひっくり返しての勝利だった。試合が終わるまで集中力を持続させ、決して諦めない自分たちの野球。その積み重ねが、悲願成就を現実のものにしようとしている。

 30日からはマツダスタジアムに戻って3位・DeNAを迎え撃つ。初のCS出場を目指して高いモチベーションで臨んでくることは間違いない。それでも、それをはね返す力が今の鯉戦士にはある。

 緒方監督は「また、あさってから地元に帰って6連戦が始まる。(1試合1試合を)しっかりと戦いたい」と前を見据えた。どれだけカウントダウンが進んでも一喜一憂しない。諦めない姿勢で一戦必勝を貫く先に、栄冠が待っている。

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