新井の球児撃ちで7連勝!2位と7差

 「広島4-2阪神」(24日、マツダスタジアム)

 球児撃ちじゃ-。広島がリーグ戦再開初戦に競り勝ち、3年ぶりの7連勝。同点で迎えた八回、2死一、二塁で代打・新井貴浩内野手(39)が、右中間を破る決勝の2点適時三塁打。貯金を今季最多の12とし、2位・巨人とのゲーム差も今季最大の7に広げた。進撃は止まらない。

 一瞬の静寂が大歓声に変わる。力強い打球が大粒の雨を切り裂いた。伸びる、伸びる。前進守備を敷いた阪神外野陣をあざ笑う右中間突破の2点適時三塁打。決めたのは新井。2死一、二塁からの代打決勝打で、連勝を7に伸ばした。

 クライマックスは八回。先頭のルナが中前打で出塁すると、代走赤松がすかさず二盗。得点圏に進めたが、後続が倒れて2死一、二塁。相手に傾きかけた流れの中、代打・新井が打席に立った。マウンドには「今まで対戦した中で、一番すごかった投手」という藤川だ。

 「真っすぐを打ちにいっても、バットとボールがかけ離れていた。ホップしているって物理的にそんなことはないんだけど、本当にそう錯覚しました」

 2球で追い込まれたが、フォークを見極めた4球目、145キロ直球を捉えた。「追い込まれていたし、高めの直球は頭にあった。2球目と同じ球。来る予感があった」。見逃せばボール球。それでも打球は右中間を真っ二つに破った。プロ18年目。ベテランの読みと経験が、土壇場で確かに生きた。

 好調の影に若手とベテランの融合がある。17日のオリックス戦から鈴木が3戦連続決勝弾。新井の帽子のつば裏や、野球バックには「51」のサインが書かれている。若手には積極的に声を掛け、イジりや冗談で場を和ませる。そんな若手の活躍が刺激にもなる。

 「本当に頼もしい。気迫が伝わってくる。自分も刺激を受けている」。この日は代打出場。先発ではなく、ベンチスタートだったが、チームの勝利には誰より笑顔を見せる。復帰2年目。若手の成長を喜び、チームの好調に充実感を覚える。「この時期のゲーム差は、あってないようなもの」。油断も慢心も新井の心にはない。

 12球団トップの23度目となる逆転勝利。貯金12で2位・巨人との差は7に広がった。「目の前の試合を1試合、1試合、全力で戦っていく。また明日、いい準備をして試合に臨みたい」。歩みは止まらない。72試合目。折り返しを勝利で飾り、全速力で後半戦も突っ走る。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

カープ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス