新井「勝ち試合で」2000安打を

 通算2000安打に王手をかけている広島・新井貴浩内野手(39)が25日、節目の1本を勝利とともに達成すると意気込んだ。26日からはヤクルト3連戦(神宮)。大台到達の一戦を白星で飾ることができれば、喜びも膨らむ。この日は、マツダスタジアムでの指名練習に参加せず、英気を養った。チームメート、そしてファンと共に歓喜のときを迎えてみせる。

 何度も、何度も同じ言葉を口にしてきた。いつも新井の脳裏にあるのは、チームの勝利だ。通算2000安打に王手をかけても、その心はぶれない。

 「とにかく勝ち試合で達成したい。そうすれば素直にみんなと喜べるから」。個人記録より大事なものがある。真っすぐな視線で、あらためて偽らざる思いを口にした。

 開幕から脅威のペースで安打を積み重ねてきた。23試合で28安打。無安打だった試合は5試合しかない。「緊張とか、僕の場合にはそれがない」。大記録が迫るにつれて慌ただしくなってきた周囲を気に留めるそぶりもなし。狙っていた22日からの阪神3連戦での達成はかなわなかったものの、3試合で5安打を放ち、両球団のファンを笑顔に変えた。

 自然体を貫けるのは、仲間の存在が大きいという。チーム総得点は、阪神の117に次ぐリーグ2位の111点を誇る。1番・田中から始まる打線は、開幕から好調を維持してきた。ルナの故障を受けて19日・DeNA戦(横浜)から4番を任されても、6番だったときとスタイルは同じ。「みんなに乗せられているのは間違いない。チームメートのサポートの中で打てている」と感謝した。

 “マジック1”で臨む神宮は駒大時代から慣れ親しんだ場所。今年はオープン戦で本塁打を放った。26日の先発は成瀬。阪神時代の13年に通算1000打点を挙げたのは、ロッテ時代の左腕からだった。

 阪神3連戦を1勝2敗で終え、貯金は「1」に減った。節目の一打が出れば、チームにも新たな勢いが生まれるはずだ。緒方監督は「彼への応援がチームの力になっている。周りの選手が乗っていって、勝ちにつながる試合をしたい」と気持ちを引き締めた。

 歓喜のときは目前だ。大声援を背中いっぱいに浴びて打席に立つ。新井は「理想のヒット?正直、それはないよ。何でもいい」とサラリと言った。応援してくれるすべての人へ、勝利と大記録達成を一緒に届ける-。それが最高の恩返しだと知っている。

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