広島・東出 正式に現役引退を表明
広島の東出輝裕内野手(35)=2軍野手コーチ補佐兼任=が、広島市南区の球団事務所で会見を行い、今季限りでの現役引退を表明した。決断に至った理由として、13年春季キャンプ中の紅白戦で左膝前十字じん帯を断裂したことを挙げ、「最後の3年間は何も仕事ができなかった。辞めようかな、辞めないといけないなと思った」と明かした。
数多くのプロ野球選手を輩出した「松坂世代」の中で、広島から98年度ドラフト1位で単独指名を受けた。ルーキーイヤーの99年から78試合に出場。FA権を取得した08年には、広島球団への恩義を貫き残留を決めた。
“生涯カープ”を貫いたことに「言葉は悪いかも知れませんが、どちらを選んでも後悔はしていないと思う。自分で決めたことなので」とした上で、広島球団への感謝を口にした。「あの世代の中で、1位で獲ってもらって、早くから1軍で使ってもらった。1軍で使ってもらわなければ、あんなに早く(FA権)を取れてないので。(行使は)筋違いかなと思ったので」と続けた。
現役生活に悔いはないが、やり残したことはと問われると、少し笑みを浮かべて「半分冗談で、半分本気なんですけど…。マエケンや黒田さんを見ていると、ピッチャーをやってみたかったなと。練習から本気でやってみたかったですね」と本音を明かした。
ポストは未定だが、今後は球団に残ってコーチとして、後進の育成にあたる予定。最後に、後輩たちには「ケガだけはするなよ」とメッセージを送った。
現役生活17年間で、通算成績は1492試合に出場し、1366安打、12本塁打、262打点、143盗塁、打率・268だった。