カープ執念ドロー…九回2死追いついた

 「広島3-3中日」(9日、マツダスタジアム)

 広島は延長十二回引き分けに終わった。2点を追う九回、ネイト・シアーホルツ外野手(31)、小窪哲也内野手(30)が代打で連続適時打を放ち、土壇場で追い付く粘りを見せた。延長では絶好機であと1本が出ず。サヨナラ勝ちを逃した緒方孝市監督(46)は「負けに等しい」と悔しがった。10日の結果次第では、自力優勝の可能性が消滅する。

 負けなかったことをねぎらうべきか。勝てなかったことを悔やむべきか。延長十二回の攻防は、3-3の引き分けに終わった。死闘を終えた緒方監督は「この時期の引き分けは負けに等しい。勝ちきれなかった。もう負けられない」と、厳しい表情で振り返った。3位巨人に2・5差と半歩迫ったが、10日の結果次第では、自力優勝の可能性が消滅する。

 ただ、指揮官は「九回は2死からよく追いついた。野手の粘り、意地が出た」とも述べた。スタンドからは温かい拍手が注がれた。ナインの執念は鯉党に伝わった。

 1-3の九回。八回まで4安打の打線が目覚めた。火付け役は先頭の菊池だ。田島から一塁ヘッドスライディングで遊撃内野安打を記録。新井、エルドレッドが倒れ、2死三塁となったが、代打シアーホルツの左前適時打で1点差とした。

 続く代打小窪も燃えた。相手の暴投で2死二塁とし、3ボールからの4球目を捉えた。二遊間を抜ける同点中前適時打。拳を握りガッツポーズ。ベンチのナインが総立ちになった。「(3ボールでも)打っていいという指示があった。僕は狙い球をしっかり打てた」と胸を張った。これで代打成績は打率・390、14打点。まさに“代打の神様”だ。

 リリーフ陣も期待に応えた。中崎が十回を三者凡退。大瀬良は続く2イニングを無失点に抑えた。延長十一回には無死一、三塁のピンチを耐え「とにかく低めをしっかり使った。一歩でも引いたら負け。強気にいった」と振り返った。

 悔やまれるのは延長十回1死満塁の好機。浅尾の前にエルドレッドは2ボールから明らかなボール球を空振りし、最後は空振り三振。赤松も連続三振に倒れて、サヨナラの機運がしぼんだ。

 ただ、ナインの執念は伝わった。小窪は「勝てなくて残念だった。でも負けたくはなかった」と言った。残り21試合。絶対にあきらめない気概を、グラウンドにぶつけ続ける。

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