鯉ドラ2薮田 デビュー戦でG倒初星

 「巨人3-10広島」(1日、東京ド)

 広島のドラフト2位・薮田和樹投手(22)=亜大=がデビュー戦を白星で飾った。自己最速タイとなる153キロの直球を軸に巨人打線を5回5安打2得点に封じた。球団の新人が巨人戦でプロ初登板初先発し、初勝利を挙げるのは4人目の快挙。度重なるけがを乗り越えつかんだ1勝。巻き返しを図る緒方鯉に頼もしい右腕が加わった。

 敵地のマウンドに、薮田が仁王立ちした。2-2の五回2死満塁。亀井を直球で二ゴロに仕留め、最大のピンチを切り抜けた。「力で押していくしかないと思って、真っすぐで勝負した。勝つことができて、ホッとしている。うれしい」と表情を崩す。記念すべきプロ初勝利は、持ち味を存分に発揮して手にした。

 2-0の初回、長野に先頭打者本塁打を被弾した。プロ初登板で初回先頭打者弾を浴びるのは球団史上初。「広輔さん(田中)に『これですっきりしただろ』と言われて、気持ちを切り替えることができた」。2-1の三回にも失点したが、勝ち越しは許さない。2-2の五回、自らの失策などで築いた1死満塁では「これからこういう場面は何度もあると思った」。表情を変えず右腕を振った。

 初回、阿部の初球で自己最速タイの153キロをマークした。球数が増えてもスピードに衰えはない。「全力で投げることができた」。新人の初登板初先発初勝利は、巨人戦に限れば97年の黒田などに続き球団史上4人目の快挙だ。

 「感謝」の言葉を胸に上がったマウンドだ。野球人生はけがとの戦いでもある。岡山理大付3年時に右肘を疲労骨折。亜大4年春には右肩を痛めた。大学での登板は3年春のリーグ戦2試合のみだ。

 「たくさんの人に支えられて今がある」。右肘の故障で一時ミュージシャンを目指しかけた高校3年時は、亜大・生田監督から声をかけられた。「拾ってもらいました」。大学2年時に右肘を手術した後は、執刀医が毎週1度、北海道からリハビリを手伝うため足を運んでくれた。両親の励ましも力になった。プロでは5月、右肩の状態が悪化したとき佐々岡2軍投手コーチが親身になり相談に乗ってくれた。「みんなの期待に応えたかった」。マウンドでは1人ではなかった。

 「臆することなく向かっていき、勝ちに貢献してくれた」。緒方監督の言葉が、薮田へのチームの思いだ。「勝ちに貢献する投球がしていきた」と気持ちを引き締めた右腕。背番号「23」が、浮上を目指す緒方鯉の大きな力になる。

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