大瀬良やっと勝った!“珍”サヨナラ

 「広島3-2巨人」(4日、マツダ)

 熱投が劇的な幕切れを呼んだ。広島・大瀬良大地投手(23)が9回、126球を投げて5安打2失点。完投で今季初勝利を手にした。2-2の九回1死満塁、相手のミスから今季初のサヨナラ勝ちを収め、待望の白星が転がり込んだ。最下位からの逆襲を狙う5月戦線。やっと勝利を手にした大瀬良が、チームを浮上へと導く。

 本塁付近で歓喜するナインの姿を見て、大瀬良はようやく初勝利に気が付いた。2-2の九回1死満塁。相手の失策からサヨナラ勝利。「正直、何があったのかわからなかった。みんなが喜んでいたから、勝ったんだなって」。9回、126球を投げて5安打1失点。5度目でつかんだ今季初勝利は、完投したからこそ手にできた価値ある1勝だ。

 高い修正能力を発揮した。序盤は直球がシュート回転。制球が定まらず、三回まで毎回走者を背負った。三回終了後、踏み出した左足が普段より、横幅一足分だけ一塁側にずれていることに気が付いた。「見えている景色が違った。体が開くから球もシュート回転していた」。わずかなズレに気が付くのが2年目の進化した証し。四回からフォームを微調整し、制球力と球の力を取り戻した。

 八回を投げ終え、球数は114球を数えた。「交代するか」という畝投手コーチの問いに即答した。「行かないわけがないです。行きます!」。常に先発完投を目指している。「九回を投げきりたい」。一度、上がったマウンドは誰にも譲らない-。強い決意と覚悟があった。

 4月は4試合に登板し、0勝3敗。好投しても白星から見放された。前回登板の4月28日・DeNA戦では九回に失点して黒星。試合後に「何かが足りないと、野球の神様に言われている」と漏らした。それでも自分の信じた道に迷いはなかった。「1日、1日で一喜一憂しない。やることをやっていれば、きっと勝利はついてくる」。5度目で勝利の女神がほほえみ、「めちゃくちゃうれしい」と笑った。

 今季から使うグラブには10個の星が刺しゅうされている。昨季の白星の数だ。「たくさん勝ったら、いっぱいになっちゃいますね」。まだ5月。グラブを埋め尽くすだけの白星を挙げる機会は、十分に残されている。

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