黒田、内攻め連発の藤浪に男気エール

 広島の黒田博樹投手(40)が27日、阪神・藤浪晋太郎投手(21)に“男気エール”を送った。25日・阪神戦(マツダ)の打席で、胸元への投球をめぐって一触即発となった事態を振り返り、「次の対戦があれば、思い切って腕を振って投げてくればいい」と遺恨なしの真っ向勝負を呼びかけた。同時にファンのためにも真剣勝負にこだわる思いを明かした。

 黒田の怒りの行動は、各方面やネット上でもさまざまな意見を呼んだ。支持と不支持、双方が混在する。ただ、もう本人に特別な感情はない。藤浪には、男気あふれるエールを送った。

 黒田はこの日、所用でマツダスタジアムを訪れた。藤浪から後日謝罪があったのか、と問われると「謝ってもらおうとは思っていない」と即答。その上で「一生懸命戦う中で起こったこと。次の対戦があれば、思い切り腕を振って投げてくればいい。僕は(死球を)頭に当ててしまったことがある。いろいろ経験してきた。それを乗り越えないと強くなれない」と続けた。

 25日・阪神戦(マツダ)の二回1死一塁。黒田は打席でバントの構えを見せたが、藤浪の1球目は内角にすっぽ抜け、腰を引いてよけた。2球目と3球目は胸元を襲われ、ともに倒れ込んでよけた。

 黒田は怒りの表情でマウンドに歩み寄り、藤浪は即座に脱帽して謝罪。両軍がベンチから飛び出し、球場は不穏な空気に包まれた。試合後は「2球続くとね。自分の体は自分で守らないと。それにヘラヘラすると士気に関わる」と述べ、藤浪に対して「年齢は関係ない。互いに戦っている。これを引きずりはしない」と続けた。

 あれから2日。黒田は怒りの理由を、さらに説明した。自分の身を守るため、チームの士気を考えたこと、その2点に加えて、ファンへの誠意もあった。

 「なれ合いは良くない、というのが一番。僕は真剣勝負をやっている。しのぎを削って戦っている。『いいよ、いいよ』でやると、真剣勝負がしらけてしまう。チームやファンにとっても、真剣勝負がしらけてしまう」

 黒田が「当然いい投手」と評価する藤浪との初対戦で示した、プロとしての信念。他球団の選手との会食などは「ほとんど行ったことがない」という男が、体で示した気概。将来性豊かな19歳下の藤浪は何を感じるのか。2人の今後の直接対戦が、一層楽しみになってきた。

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