広島は３日、新外国人選手として前レンジャーズ傘下３Ａのネイト・シャーホルツ外野手（３１）の獲得を発表した。１年契約で、年俸は推定１億３９００万円（１１６万２０００ドル）プラス出来高払いで、球団の外国人選手の初年度年俸としては、今季加入したグスマンを抜いて史上最高額。背番号は５７に決まった。来日は未定。メジャー通算５２本塁打の助っ人が、得点力不足を解消する。

　開幕からわずか８日。チームが緊急補強に踏み切った。パワーヒッターのシャーホルツを獲得した。

　緒方新監督の下、２４年ぶりの覇権を目指す戦いは、苦しい滑り出しとなった。深刻なのが打線だ。昨季の本塁打王・エルドレッドが３月に米国で右膝内側半月板部分切除の手術を受け、開幕前に離脱。攻撃陣は波に乗れず得点力不足に陥った。この日もわずか２得点。開幕から７試合で計１９得点で、１試合平均は２・７点と、投手を援護できていない。指揮官は「オープン戦から得点力不足。シーズンに入れば変わると思ったけど…」と苦しい胸の内を明かした。

　打線の新たな核として期待される新助っ人の実績は十分だ。カブス在籍時の１３年は１３７試合に出場し２１本塁打、６８打点。メジャー通算８年で５２本塁打、２２８打点を誇る。緒方監督は「映像を見た。遠くに飛ばす打撃ができるが振り回すタイプではない」とシュアな打撃を高評価した。

　年俸でも期待の高さがうかがえる。球団は昨季、グスマンと年俸約１億８００万円（１００万ドル）プラス出来高で契約した。外国人で初年度の年俸が１億円を超えるのは球団史上初だった。それを抜き、史上最高額で契約。鈴木球団本部長は「メジャー成績はグスマンより上。エルドレッドが故障して、どうしても外国人野手が１人欲しかった。チャンスに強い打球をしてほしい」と話した。

　指揮官は「中軸を考えている。守備もうまい。起爆剤になってほしい」と期待。早ければ５月中の復帰が見込まれていたエルドレッドは、回復の遅れで復帰が６月にずれ込むことも分かった。それだけに、シャーホルツへの期待は膨らむ。

　先発陣はリーグ屈指。シャーホルツの加入で打線が強化されれば、チームの歯車はかみ合う。頂へ向けて反撃態勢を整える。