マエケン開幕勝ち取る!黒田に譲らん

 広島の前田健太投手(26)が14日、開幕投手へ決意表明した。都内のトレーニング施設で自主トレを公開。黒田博樹投手(39)の復帰を歓迎しながらも、黒田との争いになる開幕投手には「やりたいというか、やるつもりで調整してます」と断言。3月27日のヤクルト戦は、13年ぶりに地元・広島で迎える開幕戦。2年連続5度目の栄誉を譲るつもりはない。

 絶え間なく見せる笑顔が、状態の良さを物語っていた。「俺らがやる」。特注のTシャツを着て、前田は「いいアピールになった」と笑った。言葉で、行動で見せた新年の誓い。エースには譲れない“場所”がある。

 「地元開幕ですから。正直、いつも以上に(開幕投手を)やりたい気持ちは強い」。昨年末、黒田の復帰が決定。緒方新監督は前田を開幕投手の「第1候補」としながらも、黒田も候補に挙げている。求めるのは新旧エースの競争だ。

 前田がプロ1年目のオフ、黒田は海を渡った。前田は1年目は1軍登板がなく、黒田との接点は多くはなかった。それでも食事を共にしたこともある。復帰には「すごくうれしい。一緒に優勝を目指したい」と大喜びしたが、開幕投手について話が及ぶと「そこは遠慮するところじゃない。勝ち取ります」と迷いなく続けた。

 シーズンに向けては、「3つの誓い」を掲げた。(1)沢村賞(2)自己最多の15勝を超える(3)防御率1点台だ。昨季は11勝9敗。主要タイトルも逃した。要因として「技術に走ってかわそうとしすぎた」と分析。「シーズンを通して力で押したい」と強く誓った。

 「もう一度、沢村賞を獲りたい。勝ち星も15で止まっているので、それ以上の成績を。あとは防御率1点台も一度しかないので」

 年明けは5日に始動した。年末にインフルエンザでダウン。一時は体重も80キロを切ったが、現在は徐々に回復している。この日は「体を強く、大きくしたい」と、スクワットなど下半身強化メニューを中心に汗を流した。

 合同自主トレには大瀬良、中田、中崎に阪神・藤浪も加わり、新たな刺激を受けた。「確実に優勝が近づいている。早く味わいたいし経験してみたい」。胸が騒ぐ。悲願成就へ。3月27日。開幕マウンドは譲らない。

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