九里、凱旋先発で祖母に恩返し星じゃ!
背水の陣を、故郷凱旋星で乗り切る。広島のドラフト2位・九里亜蓮投手(22)=亜大=が12日、出身地の鳥取県米子市で行われる13日・阪神戦先発に向けてマツダスタジアムで汗を流した。開幕ローテ入り後に2連勝し、それ以降の先発では2連敗中。危機感を前面に出し、虎狩りから巻き返しを図る。
感慨に浸っている場合ではない。故郷へ凱旋先発する九里が、危機感を口にした。「2回連続で負けている。勝てるように頑張りたい。神経質にならないよう、思い切って投げたい」。背水の陣へ意気込んだ。
4月19日・DeNA戦(横浜)で2勝目を挙げた。しかし、同26日・巨人戦(マツダ)は6回7失点。前回先発した5月6日・ヤクルト戦(神宮)は4回3失点。先発では2連敗中だ。
今年1月に自主トレを公開した際、13日からの阪神との米子2連戦を意識。「おばあちゃんがいなかったら野球を続けていない。そこで投げられるよう頑張りたい」。中学時代に素行不良で野球の道を踏み外しそうになった。その時、祖母・淳子さんに献身的な世話を受け、踏みとどまった。岡山理大付に進み、亜大を経てプロ入りを果たした。
春季キャンプで結果を出し開幕ローテ入り。今季2勝2敗。祖母への恩返しともいえる先発だが「米子に遊びに行くわけではない。とにかく普通に投げる」と、浮かれた様子はなかった。先発で3回連続で失敗すれば、ローテ落ちが待っていることは覚悟している。
課題は分かっている。「(最近は)先取点を与えて自分の投球ができていない。ボールも高めに浮いていた。その辺りを修正したい」。この日は大瀬良と2人で指名練習に参加。雨中のキャッチボールで、最終確認を行った。
同期のドラフト1位・大瀬良(九州共立大)の活躍には「素直にすごいと思うし、うれしい」とたたえる。一方で「自分も置いていかれないように、はいつくばってでも1軍についていきたい」と言い切った。当日は祖母と母、妹に親族10人ほどが観戦に訪れる予定。正念場で底力を見せる時だ。

