エルド3年連続10号!鯉の主砲は元気

 「広島4‐9DeNA」(3日、マツダ)

 広島のブラッド・エルドレッド内野手(33)が、10号3ランを放った。0‐5の六回に追撃ムードを高める一発を左翼席へ放り込んだ。これで球団の外国人選手としては3人目となる3年連続2ケタ本塁打をマークだ。試合は敗れて結果的に空砲となったが、5月になっても主砲は好調を維持。首位キープへフル回転する!   

 青く透き通った、五月晴れの空に白球が舞い上がった。鯉党の歓声にも乗り左翼席へ突き刺さる。エルドレッドが4番の存在感を示す10号3ランだ。

 投手陣が崩れ、大量リードを奪われる苦しい展開。0‐5の六回に打席が巡ってきた。2死から菊池、丸の連打で築いた一、二塁。井納の4球目、外角へのスライダーに対してバットを振り抜いた。

 「少し詰まり気味。打った瞬間は本塁打にならないと思った」。それでも打球はグングン伸びる。持ち前のパワーで押し込んだ2試合連続の一発だ。

 一時、2点差まで迫るアーチ。野村監督は「追い上げムードの中で捉えてくれた」と期待に応えた主砲をたたえた。12年に途中加入して今季が3年目となる。球団の外国人選手としては、79年のライトルとギャレット以来、3人目となる3年連続2ケタ本塁打をマークした。

 開幕から好調を維持する。打率・380、10本塁打、30打点。首位を走る野村鯉をバットで支えてきた。「球を見極められる。打てる球を逃さず捉えられている」。外角の変化球にことごとく空を切っていた昨季。今季は違う。きわどい球を見逃し好球必打ができる。

 1月末に来日して以降、顎ひげを伸ばし続けている。昨季もたくわえていたそれは、今では助っ人のトレードマークだ。「験を担いでいるわけではないんだけど。沖縄で一度整えてからはずっとカットしていない。CSに行ったときは、もっと(胸の辺りまで)長く伸びているよ」。シーズン中にそる予定はなく、ひげをそるのはCS後‐。23年ぶりの歓喜を味わってからだ。

 「得点圏に走者がいたら、それをかえすのが仕事。チームが勝つためにやっていきたい」。前を見据え力を込めた。4番のその言葉が何よりも頼もしい。

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