田中プロ1号!愛妻との新居決め燃えた

 「ヤクルト2-9広島」(24日、神宮)

 完璧な手応えだった。1点を追う二回1死一、二塁。広島・田中が古野の内角直球を捉えた打球は右翼ポール際へ、高々と舞い上がった。スタンドインは確実な飛距離。フェアかファウルか。すると一塁塁審の手が回った。

 記念すべきプロ初本塁打‐かと思いきや、審判団が集まり、ビデオ判定が始まった。胸が詰まりそうな数分間。「本塁打じゃなかったら、自分は終わりだ」。願いは通じた。判定通り本塁打と認められ、チームを逆転勝利に導いた。

 この日で5度目のスタメン出場だが、遊撃では初めてだった。「ショートとサードでは気持ちが全然違う」。アマ時代から遊撃を守ってきた田中にとっては愛着のある守備位置。それだけに試合前から気合が入っていた。

 初本塁打を放ったこの日、もう一つうれしい出来事があった。広島市内の新居がやっと決定したという。「今日、奥さん(亜子さん)が仮予約したところです」。プロ入り後、今まで一人暮らしの生活が続いたが、これから愛妻と共に暮らせるようになる。

 打線爆発の快勝劇に野村監督は「田中の本塁打は大きかったね」とうれしそうに笑った。「打撃の内容はどんどんよくなっている」と自信を深めた田中。新たな風が野村鯉の勢いを加速する。

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