大瀬良ガチガチ緊張でも0封デビュー!
「オープン戦、広島2-2阪神」(22日、コザしんきん)
広島のドラフト1位・大瀬良大地投手(22)=九州共立大=が、オープン戦の“開幕投手”として初の実戦マウンドに上がり、阪神打線を2回無失点に抑えた。極度の緊張で制球を乱したが、打者7人に1安打1四球。自己採点は100点満点で「10点」ながらも零封デビューを飾った。カープは九回に追いつき、2‐2で引き分けた。
登板を終えた大瀬良が、苦笑いで振り返った。長崎日大高で甲子園、昨年は侍ジャパンの台湾遠征を経験した男が「メチャクチャに緊張しました。マウンドに上がって『ヤバイ』と思った。あれほど緊張したのは初めて」。自己採点を求められると「10点くらいですかね」と、頭をかいた。
一回、明らかにボールが上ずるシーンが目立ち、先頭の上本を四球で歩かせた。だが簡単には崩れない。大和は二ゴロ併殺、今成は中飛。変化球を増やした二回はマートンを二ゴロ。新井を二ゴロ。伊藤隼には単打を許すも、西田を中飛に抑えた。
大瀬良は「あんなにボールが上ずったことはなかった。石原さんとバックのおかげです」と反省を口にした。この日最速は146キロ。新井には新球フォークも試投したが、すっぽ抜けのボール。2回無失点も喜べないマウンドだった。
試合前に“異変”があった。大瀬良は昼食を終え、午後1時の試合開始30分前まで、右翼の外野で遠投を行った。午前中の全体練習で、スパイクをロッカーに忘れたため、サブグラウンドで遠投ができなかったためと思われる。普段の登板前と異なる動きが、微妙にリズムを狂わせた可能性もある。
ただ、「10点」の内容で無失点に抑えたのは事実。視察に訪れた侍ジャパンの小久保監督は「かなり緊張していたが、大和やマートンの時のように、真ん中に近い直球を詰まらせられるのは武器」と評価。野村監督も「18日の紅白戦が雨で流れた影響もある。悪かったけど0点に抑えるのは収穫。スピードはもっと出る」と期待した。
大瀬良は次の登板に向けて「これ以上の緊張はないと思う。最初にこれを経験したことをプラスに捉えたい」と切り替えた。本人は不本意でも、周囲の期待値は揺るぎない。


