広島の梵英心内野手（３３）が２１日、広島県廿日市市の大野練習場で行われている合同自主トレに参加し、２３年ぶりの優勝と全試合出場を誓った。今年はグアムで自身初の海外自主トレを行い、ハイペースで調整してきた。今オフ、選手会長に就任した背番号「６」が、プレーでもチームを引っ張る。

　真っ黒に日焼けした顔が、充実ぶりを物語っていた。梵は９日から１０日間、グアムで自主トレを行った。海外自主トレは自身初だったが「想像していた以上に動けた。いい誤算。球を使った練習もできた」と笑みを浮かべた。

　「暖かい場所で一回、体をいじめたい」という思いで海を渡った。グアムでは、同行した小窪とともに１日約８時間、汗を流した。打撃練習も行い「今季１号は、もうぶちかましてきました」と満足そうに言った。

　２０１２年１０月に右膝の手術を受けたため、昨オフはケアに時間を割かなければならず、満足な練習ができなかった。「去年の今頃はギプスが取れて歩き始めたくらい。今は違和感もないし、スムーズに練習できる。去年とは状態が全然違う」。順調な仕上がりに表情は緩むばかりだ。

　今オフ、選手会長に就任した。チームリーダーとして迎える今季、目標は明確だ。「一番はチームの優勝」。その上で自身の目標として全試合出場を掲げた。「全部出たい。（ショートの）ポジションをもぎ取って」。プレーでもチームを引っ張るつもりだ。

　プロ入りしてからの８シーズン、全試合に出場したのは２０１０年の一度だけ。右膝の手術明けだった昨季は「周りに気を使われ過ぎた」と、１１７試合にとどまった。ただ今年は膝の不安もなく、調整に手応えを感じている。だからこそ高い目標を掲げる。

　この日は大野練習場で行われた合同自主トレに参加し、ノックやマシン打撃など、参加２日目で初めてフルメニューをこなした。「（広島は）寒い。ケガをしたらもったいない。冷静にやっていく」と、今後はマイペースで調整する構えだ。

　手応えを感じ、自信を得たグアム自主トレ。新チームリーダーが、完全復活した姿で野村鯉を引っ張る。