広瀬「違う感覚」手に入れ日本新記録
「広島3-2中日」(26日、マツダ)
広島の広瀬純外野手(34)が26日の中日(4)戦(マツダ)の八回に中前打で出塁。15打席連続出塁とし、プロ野球新記録を達成した。21日の巨人戦(マツダ)の第4打席で放った中前打から始まり、23、25日のヤクルト戦(神宮)は4四死球と3安打2四死球。この日は4安打を放って一気に記録を塗り替えた。4番の活躍で、チームは単独3位へと浮上した。
広瀬が球史に名を刻んだ。3‐2の八回無死一塁、武藤の3球目を鮮やかにはじき返すと打球は中前で弾んだ。この日、4安打目で15打席連続出塁。03年・高橋由(巨人)ら3人の持つ14打席連続を超え、プロ野球新記録を達成した。
祝福のファンファーレが鳴り、スコアボードには「新記録」の文字。34歳は一塁ベース上でうれしい花束を受け取った。
11打席連続出塁中で迎えた一戦。「知っていた。(法大の大先輩)浩二さん(の10打席連続)を抜いていたんですよね。それで満足してた。だから気負うことなかった。こんな機会ないし抜いてやろうと思っていた」
二回の第1打席で左前打を放ち、12打席連続で67年の山本一義氏に並ぶ球団タイ記録。四回1死二塁では左中間へ先制二塁打を打ち、46年ぶりに球団記録を更新した。五回2死二塁で右前打。14打席連続とし、日本記録に並んだ。
前田健が右腕痛、エルドレッドが右手小指骨折、前田智は左手首骨折で長期離脱した非常事態。3試合連続で4番に入る広瀬は、昨季野村監督からは「プレー以外の態度も考える」ことを助言された。教えを胸に「置かれている立場も違う姿勢とか若い人が僕を見てついてくる」と行動を意識する。2戦連続猛打賞の大暴れ。バットで、背中で、チームを鼓舞した。
昨季は死球で右手を骨折するなど、死球禍に泣いた。そのため今季は打席でホームベースから離れて立つ。昨季に比べ、つま先分の10センチ程度だが、この距離が技術的にも好結果を呼ぶ。
もともと内角のさばきには定評があったが「去年なら切れていた打球が(フェアに)入る」と言う。より懐が深く、思い切って踏み込める「違う感覚」を手に入れた。
前夜は神宮で5時間超のゲームでこの日、移動試合。今季初のお立ち台では「4時間しか寝ていない。皆さんも早く帰って明日も来て下さい」と沸かせた広瀬。8打数連続安打は山本浩二氏の持つ球団記録9打数連続にも王手。27日も目が離せない。
