ロッテ・井口引退、伊東監督も寝耳に水「寂しいけどこの世界は毎年が勝負」
ロッテの井口資仁内野手(42)が20日、千葉のZOZOマリンスタジアムで会見し、今季限りで現役を引退することを発表した。井口の引退は伊東監督にとっても、“寝耳に水”だった。
この日は午前11時からZOZOマリンで全体練習。監督室に到着すると、すぐに井口が「お話があります」と訪ねてきた。
井口が「今季限りでユニホームを脱ごうと思います」と話し始めると、伊東監督は「エッ!」と絶句した。
13年のロッテ監督就任以来、井口にはチームの大きな柱として頼りにしてきた。二塁から一塁へのコンバートとともに、和製大砲として期待し、さらには勝負所で起用した。
伊東監督は、「バリバリの時と比較すると、あの年齢(42)です。衰えてくるでしょう」と引退に理解を示しつつ、こう続けた。
「寂しいけど、この世界は毎年毎年が勝負です。(この世界で)何十年も生きて、自分で引退を決められるのは幸せなこと」
井口は97年、ダイエー(現ソフトバンク)でデビューした。伊東監督は西武の正捕手だったが、「スピードがあって身体も強かった。勝負所でよく打ったし、アメリカでもそれなりの成績を残した」と思い出を語った。
最近、こんな会話を交わしたという。
伊東監督が、「現役生活でこんなに負けたことはないだろう」と問いかけると、井口は「ありません。監督はどうですか?」と返した。
もちろん、伊東監督の返事も「オレもだよ」だった。
そして、2人は「このままじゃ終われない」で一致した。
ロッテは最下位にドップリと浸かっている。だが、最下位で井口を送るワケにはいかない。指揮官は「1つでも上に行けるように」とリーグ戦再開をにらんだ。