小久保監督、世界一奪還へ道険し 公認球に苦戦しメキシコに7失点
「侍ジャパン強化試合、日本3-7メキシコ」(10日、東京ドーム)
投手陣は滑るWBC公認球に苦しみ、打線も細かい継投を見せたメキシコ投手陣の前に5安打と湿り、来年3月の本戦に課題を残した。日本は11日にメキシコと第2戦を行い、12、13日はオランダと対戦する。
世界一奪還の道は決して緩やかではない。勝利にこだわり、来年のWBCへのいいスタートしたかった一戦。だが、小久保監督を待ち受けていた現実は、国際試合の難しさを味わう敗戦だった。
まずは侍の「一番の強み」と称する投手陣。だが、先発・武田が1点リードの四回に四球を起点として同点に追いつかれると、2番手・千賀も制球を乱し、同点の六回に2四球から2死一、二塁のピンチを招き、サスエタの適時打と失策で2点の勝ち越しを許した。
戦前から小久保監督は「ピッチャーはボールの違いもある。その修正能力も問われる」という点を課題に挙げた。特に千賀は「制球に苦しんで、シーズン中のようなボールを投げられなかった」と指揮官も話すように、WBC球への対応に課題を残した格好だ。
そしてメキシコの継投に打線は翻弄(ほんろう)される。初回、1点を先制してなおも1死満塁で追加点を奪えず。「有利な試合展開にできなかった」と指揮官が悔やむ拙攻から、その後は9投手による継投策にはまった。
データの少ない投手を初見で捉えるのは簡単ではない。ただ「もちろん(課題に)なるでしょうね」と小久保監督。国際試合に勝ち抜くためには、打者にも対応力が必要だ。
勝ちにこだわった強化試合は黒星スタート。「もちろん勝つための采配を振るうが、選手を見極めるにもってこいの場」と位置づけた小久保監督。だが場内に罵声が飛ぶ異様な空気は、侍の課題が少なくないことを示していた。