創価大・田中正義、気迫の雄たけび「シャー!コラ!」 スカウトは高評価

 「東京新大学野球、創価大4-1共栄大」(17日、竜ケ崎市野球場)

 2季ぶりの優勝を狙う創価大が、今春優勝校の共栄大に先勝した。阪神が1位候補に挙げる今秋ドラフトの目玉、田中正義投手(4年・創価)は6回3安打1失点で開幕2連勝。視察した日米7球団のスカウト陣に、気迫満点の投球スタイルを披露した。

 気合があふれて止まらなかった。五回無死、外角低めの直球に相手のバットはピクリとも動かない。「シャー、コラ!!」。見逃し三振を奪うと、田中の雄たけびが客席にまで響いた。こう着状態で迎えたこの回、クールなエースが何度もマウンドで声を張り上げた。

 「イケイケで来ていたチーム。勢いを何とか止めたいと。三振が一番流れがくるかなと思って狙いました」。試合後は普段の冷静な表情で理由を明かした。4月23日に右肩炎症で途中降板したのが共栄大戦。その一戦に勝った相手は波に乗って春のリーグ戦優勝。気合が入って当然だった。

 スタミナが切れた六回に1点を失って降板したが、最速153キロで7奪三振。8回1失点だった10日の高千穂大戦に続く勝ち星を挙げた。岸雅司監督(61)も「球質はよくなっている。完投するかなと思ったよ」と、順調な歩みに頬を緩めた。

 ドラフトに向けた不安もなくなってきた。阪神は佐野統括スカウトら5人態勢でチェック。広島・尾形スカウトは「こういう一面もあるんだなと。打者に向かっていく姿勢が見られたのはよかった」と高く評価した。

 79球での交代。納得はいかない。18日の2回戦は登板せず主将として応援するのかと問われ、「いや、投げますよ、明日も」と語気を強めた田中。剛腕の完全復活はもうすぐだ。

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