高川学園・相田、寺島からタイムリー “第二の父親”から学んだ教えは「人は心」

 「全国高校野球・1回戦、履正社5-1高川学園」(8日、甲子園球場)

 立派な、キャプテンだ。高川学園(山口)・相田聖人外野手(3年)は初出場のチームにあって、浮き足立つことなくチームを引っ張った。六回には大会ナンバーワン左腕と言われる履正社・寺島からチームに唯一の得点をもたらすタイムリーもかっ飛ばした。

 声で、プレーでナインを鼓舞したが、健闘及ばず履正社の軍門に下った。そして、5月に退任を表明していた藤村竜二監督(46)も、相田たちとともにチームを離れることになった。

 大阪出身。相田は「寮生活に憧れて」他県の高校を選んだ。「高校生活というより、野球生活」というくらい野球漬けの日々を、慣れない土地で過ごすうちに不安定な感情が起きることもあった。

 寮で世話をしてくれる人に、ぞんざいな口をきくこともあった。それを本気で叱ってくれたのも、藤村監督だった。

 この「お父さんみたいな方」の教えは「人は心」という言葉だ。「心の持ち方が、行動に表れる。野球も私生活も、それは変わらない」と相田。履正社という強敵を迎え「名前負けはしなかった。そういう心の持ち方はできたと思います」と続けた。

 七回裏。履正社の4番・安田の大飛球を追って中堅・大江はフェンスに激突した。捕れなかったが、大江の「心」は右翼を守る相田にも十分伝わった。

 この回が終わって、相田は一塁ベンチに戻りながら何度も振り返り、大江を心配する視線を送った。仲間を気遣う「心」。藤村監督にとって「最高の選手たち」の成長は、勝ち負けなどよりはるかに尊い。

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