高松商が延長サヨナラ!古豪が逆転劇

 「選抜高校野球・1回戦、高松商7-6いなべ総合学園」(24日、甲子園球場)

 センバツ第1回大会覇者で20年ぶり26度目出場の高松商(香川)が、驚異の粘りで延長十回サヨナラ勝ち。1990年以来、春は26年ぶりとなる1勝を挙げた。3点ビハインドから終盤に同点に追いつくと、十回に5番・美濃晃成内野手(3年)が右越え三塁打。最後は相手投手の暴投で決着がついた。優勝した昨秋の明治神宮大会をほうふつとさせる逆転劇に、約4000人の応援団が歓喜した。

 快音を残し、俊足を飛ばした。6-6の延長十回。「内角寄りの直球。真芯に当たった」というライナーが右翼手の頭を越えると、50メートル6秒0の高松商の5番・美濃は一気に三塁を陥れた。

 続く6番・植田理久都内野手(2年)への3球目に、相手投手が暴投。ボールがバックネットへ転がる間に、美濃はサヨナラのホームを踏んだ。大応援団を歓喜に導く、春26年ぶりの1勝。お立ち台に上がった背番号4は「いい仕事ができました」と声を弾ませた。

 20年ぶりの聖地は、苦しい試合だった。六回終了で2点のリードを奪いながら、先発・浦大輝投手(3年)が相手打線につかまり、3-6で終盤へ。それでも昨秋の神宮王者に、あきらめムードはなかった。

 「八回が待ってるぞ」-。劣勢の中、米麦圭造主将(3年)を中心に、ベンチでナインが交わしていた“合言葉”だ。

 神宮大会の決勝・敦賀気比戦。0-3から一挙5点を奪い、逆転に成功したのが八回だった。その3週間前の四国大会準々決勝・今治西戦でも、5-7の八回に4番・植田響介内野手(3年)が逆転満塁弾を放っている。

 何かが起こる“ラッキー8”。美濃の右翼線二塁打などで1点差に迫ると、九回に2番・竹内啓人外野手(3年)のタイムリーで同点に追いついた。抑え投手を任される美濃は、八回途中からマウンドに上がり2回2/3を無失点。自己最速143キロをマークする気迫の投球で、劇的な勝利を呼び込んだ。

 2回戦の相手は、瀬戸大橋でつながる隣県・岡山の創志学園。最速150キロ右腕の“松坂2世”高田を相手に「自分たちは振り負けないスイングができる」と美濃は自信をのぞかせる。

 美濃の帽子のひさしの裏には、大きな文字で「花」と記されている。「神宮だけでなく、甲子園でも花を咲かせるという意味で書きました。今はまだ一分咲きです」

 春夏4度の全国制覇を誇る名門が、完全復活に挑む春。満開の時を迎えるまで、進撃を止めない。

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