長田初聖地!偏差値70級の進学校に春

 第88回選抜高校野球(3月20日開幕・甲子園)の出場校選考会が29日、大阪市内で行われ、出場32校が決定。創立96年目を迎える長田(兵庫)が、21世紀枠で春夏通じて初の甲子園出場を決めた。1920年に第3神戸中学校として設立され、難関国公立大学への進学者を多数輩出する兵庫県屈指の進学校。練習にも高い頭脳を生かし、プロ注目のエース・園田涼輔投手(2年)を中心に夢の舞台への切符をつかんだ。

 午後3時1分。長田へ吉報が届くと、校内は歓喜に沸いた。同校野球部OBの永井伸哉監督(44)は「96年目ですか…。悲願でしたので、感無量です」。県内屈指の進学校がついに聖地への切符をつかんだ。

 東大、京大などへの進学者を多数輩出する名門校。野球部員も毎年、半数以上が国公立大学へ進学している。

 学校は1日6~7時間授業で、部員の半数以上が練習後に塾へ通う。勉強が生活の中心となるため、練習時間は限られる。7時間授業の日は練習時間が2時間。そこへ高い頭脳を生かしてきた。

 練習前にはチームの目標を暗唱して意識を統一。メニューの半分は選手で決めて、休日のミーティングは4時間に及ぶこともある。創意工夫で昨秋の兵庫大会8強へつなげた。

 プロ4球団が視察したエース・園田も、練習終了後は午後8時半から10時半まで塾に通う。野球中心ではない中で、目的を持って食事や走る量を増やし、入学時の120キロ台から最速140キロを投げるまでに成長した。「ほっとした。物おじせずに投げたい」と夢の舞台を心待ちにした。

 学校所在地の神戸市長田区は、95年の阪神・淡路大震災で壊滅的な被害を受けた。当時を知らない選手も、故郷への思いは強い。「長田の復興の象徴としてプレーしたい」と園田。被災地代表としての思いも胸に、秀才軍団が甲子園に乗り込む。

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