「イワイワオー」大村氏ロッテコーチに

 ロッテは29日、来季2軍打撃コーチに、球団OBで前DeNA打撃コーチの大村巌氏(46)が就任したことを発表した。この日、球団事務所を訪れ、コーチ契約を結んだ。現役時代「イワイワオー」の応援歌で親しまれた大村氏は、現役を退いた03年以来となる古巣復帰に、「選手として16年間プレーヤーとして育ててもらったロッテで、勝利に貢献したい」と意気込んだ。

 指導者としての実績は豊富だ。06年から日本ハムで7年間、1、2軍の両方で打撃コーチを務め、13年からはDeNAで2軍打撃コーチ、2軍監督、1軍打撃コーチを歴任。日本ハムでは中田、DeNAでは筒香らの育成に尽力した。「ファイターズ、ベイスターズで指導してきた経験を生かしたい」と、古巣でのコーチ業に臨む。

 まず「勝つためにどうしていくか。パ・リーグは広い球場が多いので、ホームランを期待するよりも、しっかり得点圏に進めたり、いかに相手にプレッシャーを背負わせるかが大事だったりする。打席に入ったときの状況判断などの細かなところも、ファームのうちからやっていきたい」と具体的なプランを描いた。

 そして、技術の伝授と同時に、2軍コーチとして必要な心得を挙げた。「ファームは、若手選手のほかに、中堅、ベテラン、そして故障者もいる。それぞれに合わせた対応やフォロー、アプローチをしていきたい」と話し、「打撃コーチではありますが、それ以外にもやらなきゃけないのは人間教育。取り組み方だったり、例えば高卒新人の選手だったりしても、プロである前に、社会人としてしっかりやっていかないといけない。信頼される野球選手にならないといけない」と力説した。

 日本ハム時代には、高卒1年目だった中田翔の指導にあたった。「放っておいてもずば抜けた素材だった」と、当時からその類いまれな才能を認めていたが、「技術(を教えること)はほんの少しで、あとは練習の取り組み方だったり、準備の仕方であったり。そういう目立たないところが大事だった」と大村氏。当時を振り返り「最初は嫌な顔もされましたよ。でも、彼は3年目から大人になった。『あのときはガキでした』と言っていた。それに気づく瞬間というのが、彼にはあった」と述懐する。今では球界を代表するスラッガーであり野球人となったことは、周知の通りだ。

 心機一転、古巣のユニホームを着ることになるが、10年間のコーチ生活で得た確かな指針がある。ロッテに新たな風を送り込めるか、大村氏の手腕に注目だ。

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