涌井の粘投でロッテ下剋上へ一歩前進

 「パCSファーストS・第3戦、日本ハム1-2ロッテ」(12日、札幌ドーム)

 3位のロッテがファイナルSへ進出した。先発の涌井秀章投手(29)が七回途中まで8安打を浴びながらも、1失点に抑える力投。1-1の七回にはアルフレド・デスパイネ外野手(29)がソロ本塁打を放ち、勝負を決めた。日本ハムはあと1本が出ず、無念の敗退。大谷翔平投手(21)は八回の好機に代打で出場したが、三振に倒れた。

 ポーカーフェースの右腕がほえた。涌井は魂を込めた。最多勝右腕の名に違わぬ143球の熱投が、ファイナルSへの切符をもたらした。

 「気持ちが高ぶった時にしか出ない」というガッツポーズが飛び出した。同点の三回、無死満塁。近藤を投ゴロに仕留め、続くレアードをフォークで空振り三振に斬った瞬間だった。「1球1球、気持ちを込めて投げていた」。矢野も二飛に打ち取り、無失点でしのいだ。

 最多勝を決めた6日・楽天戦で10回137球を投げ、それから中5日での登板。一回には先頭の陽岱鋼を一ゴロに打ち取ってベースカバーに入る際、人工芝につまずき転倒した。その時に手首を擦りむいたうえ、1失点。「最終戦であれだけ投げさせてもらって、期待に応えてやろうという思いが強すぎて、ああいう結果になった」と頭をかいたが、そこからギアを入れた。

 五回2死には、中田にこの日最速の148キロ直球で遊ゴロ。落合投手コーチは「規格外ですね」と無尽蔵のスタミナに感服した。伊東監督も「興奮している。内容もあんまり覚えていない。エースの、最多勝投手の仕事をしてくれた」と頬を上気させた。

 ファイナルSでは中5日で第5戦での先発が有力な涌井。いざ、福岡へ-。リーグ覇者に体当たりで挑む。

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