比叡山V 背番号18のエースが導く

 「高校野球・滋賀大会決勝、比叡山5-0近江」(28日、皇子山)

 背番号「18」の小柄な体が、マウンドで跳ねた。比叡山が16年ぶり8度目の夏の甲子園。「うれしい。実力以上のものが出た」と声を弾ませる山崎僚太投手(3年)にとって、公式戦初完投が決勝での完封となった。

 最速は130キロあまり。しかしキレのある変化球を外角に決め、昨夏、今春の甲子園出場校、近江打線に的を絞らせなかった。七回表の攻撃中に雷雨で約1時間中断も「いい休憩」と集中力を維持。8回1失点の準決勝に続く連投で、145球を投げきった。

 昨秋は背番号「1」だったが、今春は実力面などからメンバー外。夏に「18」をもらった。「悔しかったが、ベンチ外の3年生が励ましてくれた」と気持ちを切り替えた。

 OBで就任4年目の河畑成英監督(31)が1年生だった1999年以来となる聖地。「山崎には、本当はエースだという思いで大学、社会人野球のエース番号『18』をつけさせた。崩れず投げてくれた」とたたえた。

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