三豊工20年ぶり8強“悲願”へ選手一丸

 「高校野球・香川大会3回戦、三豊工2-1琴平」(23日、レクザム)

 三豊工が2-1で琴平との接戦を制し、20年ぶりの8強入りを決めた。同校は2017年春に観音寺中央との学校統合が決まっており、現校名は消滅する可能性が濃厚。その前に悲願の甲子園初出場を狙う。高松商は7-0で小豆島にコールド勝ちし、2年ぶりの準々決勝進出。

 1点差に追いつかれ、なおも2死満塁の大ピンチ。三豊工の背番号10・戸城望武投手(3年)は九回のマウンドで「足が震えていた」という。気力を込めて投げた127球目。最後の打者を一飛に打ち取ると、派手なガッツポーズで仲間と喜びを分かち合った。

 20年ぶりの準々決勝進出。前川正勝監督(36)も「この子たちを誇りに思います」と感激の面持ちだ。昨夏は初戦・香川中央戦でノーヒット・ノーランを喫して敗れた。その屈辱を糧に、今年のチームは「ノーヒットでも点を取れる野球」(前川監督)を目指してバントや走塁など小技を磨いてきた。

 その成果が表れた二回の攻撃。4番・藤田陸外野手(3年)が四球で出塁し、6番・白川敬大捕手(3年)の左翼線二塁打で1死二、三塁のチャンスをつくった。そして7番・矢野珠稀也外野手(3年)が初球スクイズ成功。鮮やかな先制点で主導権を握った。

 ナインには勝ちたい理由がある。2年後の17年春、同校は観音寺中央と統合されることが決定している。新校の校名は未定だが、「三豊工」の名は消える可能性が高い。

 1962年創部の野球部は、これまで県内でも目立った成績はなく、近年も初戦敗退の常連だった。主将の山田大貴内野手(3年)は言う。「統合する前に、三豊工は野球が弱いというイメージをなくしたい」。

 準々決勝では私立の強豪・藤井学園寒川と対戦する。「相手より自分との戦い。一戦必勝で甲子園に行きたい」と戸城。残り2年で訪れた初聖地のチャンスを、簡単に逃すわけにはいかない。

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