ハム中島V打!稲葉のバット触って…

 「パCSファイナルS第5戦、ソフトバンク4-6日本ハム」(19日、ヤフオク)

 意地の一打だった。延長十一回2死満塁。日本ハム・中島卓也内野手(23)がソフトバンク・サファテの149キロ直球を右前に運ぶ2点適時打で試合を決めた。「最後は打たなきゃ男じゃないと思った。メッチャうれしい」と歓喜を爆発させた。

 責任を感じていた。前夜まで、ポストシーズン23打数3安打と調子は上がらなかった。七回は1点差としてなお2死三塁の好機に三振に倒れていた。代打稲葉が安打でつないで訪れた好機だった。「稲葉さんの思いを無駄にしたくなかった」と振り返った。

 殊勲の場面。ベンチ前にある稲葉のバットに触れてから、打席に入った。「『力を貸してください』と。目の前に稲葉さんがヒットを打ったバットがあったので」。今度は思いを無駄にしなかった。

 稲葉は「チャンスが回ってきて、1本出ていなかった。本人が一番苦しかったと思う。ものの見事に打った。すごいと思う」と目を細めた。「稲葉さん、(金子)誠さんと何とか1試合でも多くやりたい」。ヒーローは高らかに誓った。

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