「ＤｅＮＡ６-２中日」（２９日、横浜）

　初めて味わう快感だ。４月の終わりになって、ようやく飾った今季初連勝。ＤｅＮＡ・中畑監督は会見場に現れると、笑顔で「お疲れさま！」と大声を上げた。報道陣の反応が薄いともう一度「お疲れさま！」。勝利を分かち合いたかった。

　「きょうの勝ち方。こういう勝ちができるチームにしたかった。理想の野球だったよ」。終盤まで１点を争う展開。ピンチをしのいで粘りながら、同点で迎えた八回、試合を決めたのは荒波だった。

　１死満塁。追い込まれながらもフルスイングで捉えた打球は、弾丸ライナーで右翼席に突き刺さる。「ホームラン自体あまり打っていないので、記憶にありません」という初体験グランドスラムだ。

　攻守に精彩を欠いていた。２５日の阪神戦では七回２死満塁から中飛を落球し、３点を献上した。打率も２割台前半と低迷。この日は先発落ちし、途中出場だった。「しっかり練習から準備していくことが大事」。連日の早出特守を敢行。地道に積み重ねて備えてきた。

　中畑監督は「責任を感じてほしいし、そういうのをはねのけてほしい。派手な決勝弾もいいけど、難しい打球をうまく処理してほしいね」。欠かせない選手の復活を感じた、価値ある連勝。次は今季初のカード勝ち越しだ。