中日・友利結投手コーチ（４６）が２７日、北谷球場での合同自主トレを視察。春季キャンプ１軍スタートが決定しているドラフト２位の又吉克樹投手（２３）＝四国ＩＬ香川＝と同５位の祖父江大輔投手（２６）＝トヨタ自動車＝の両ルーキーを先発候補としてテストする考えを明かした。

　久しぶりに見る選手たちに目を細めていた。沖縄県北谷町に自宅がある友利投手コーチにとって北谷球場は徒歩圏内。他のコーチよりも一足早く視察すると「いい意味で飛ばしている。みんな自覚を持ってやってきてくれたよ」とニヤリ。そんな新コーチが先発候補として挙げたのが…。

　「何せ先発がいないからね。みんな先発として競争させるよ。岩瀬以外はね」。突然の全員先発構想だ。さすがに浅尾については「どうかな」と言葉を濁し、田島や福谷はセットアッパー候補。全員というのは冗談だろうが、岡田や武藤、井上らに先発転向指令を出してきたのは事実。そんな中、新たな先発候補に加わっていたのが１軍スタートのルーキー２人だ。

　「きょう初めてキャッチボールを見たけど、２人とも変わった投げ方をしているね。肘から先が強いのと、テークバックがないのと。どっちも打者は打ちづらいんじゃないかな。まあ、プロで１球も投げる前に決めるのは夢がない。どっちも先発でテストするよ」

　ちなみに「肘から先が強い」のはサイドスローの又吉で、「テークバックがない」のは右上手投げの祖父江。いずれも変則的な投げ方だが、友利コーチは絶賛。練習は投げ込み、走り込み主体の先発用メニューを用意するという。

　又吉とは縁もあった。同じ沖縄県出身で浦添小、浦添中の同窓生。「いろんな人から又吉を頼むよって言われたよ。まあ、これまでは鍛え慣れていないだろうから徹底的にいくよ」。かわいい後輩を鍛えるつもりだ。

　「先発完投は一番格好いいですからね。やるからには先発をやりたい。友利コーチが『アイツはオレの後輩だ』と自慢できるような選手になりたい」。こう話した又吉は、２キロ走でも福谷に次ぐ２位で力走するなど気合十分。祖父江も「うれしいですね」と目を輝かせた。