新コミッショナーは“落としの熊崎”

 プロ野球のオーナー会議が26日、東京都内で開かれ、第13代コミッショナーに、元東京地検特捜部長で、コミッショナー顧問を務める熊崎勝彦氏(71)が就任することを全会一致で承認した。任期は2年で、1月1日付で就任する。熊崎氏は、統一球問題で指摘された日本野球機構(NPB)の組織改革に取り組み、信頼回復に努める決意を示した。

 空位だったNPBのトップが、ようやく決まった。白羽の矢が立ったのは名検事として知られる熊崎氏。会見では「厳正、公平に職務に対処していく」と鋭い眼光を飛ばした。

 NPBが揺れた2013年。統一球問題では事実の隠ぺいなどが発覚し、組織としての信頼を失った。10月下旬には加藤良三コミッショナーが辞任。新コミッショナーは裁定者としての立場を重視する声が高まり、05年からコミッショナー顧問を務める熊崎氏の選任に至った。

 熊崎氏は統一球問題を振り返り「公表しなかったことが問題。関係者に告知するのは当然のこと」とばっさり。組織改革については「人間関係も大事。一杯飲んでいろんなことを話して。こういうこともガバナンスの一つ」と持論を展開した。

 東京地検特捜部時代は“落としの熊崎”の異名をとり、金丸信・元自民党副総裁の5億円ヤミ献金事件でも金丸氏から自供を引き出した。一方で08年にはテレビ朝日のドラマ「天と地と」に俳優として出演し、戦国時代の武将・新発田長敦を演じた異色の経歴もある。コミッショナー顧問としては球界のコンプライアンス(法令順守)、暴力団や悪質な応援団の排除などに取り組んだ。

 「信なくば立たず。信頼を得るというのはプロ野球界で大事。そういうなかでファンが支えてくれる」。復権を目指す日本球界が、熊崎コミッショナーの下で再出発を図る。

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