新庄・田口15回0封19Kも再試合に

 「高校野球広島大会・決勝、新庄1‐1瀬戸内」(28日、しまなみ)

 両チームのエースが互いに譲らず、延長15回0‐0で規定により引き分け。30日に再試合が行われることが決まった。広島大会決勝戦での引き分け再試合は、広島が1県代表となった1959年以降初めて。新庄は左腕・田口麗斗投手(3年)が15回13安打19奪三振。瀬戸内の右腕・山岡泰輔投手(3年)は15回1安打15奪三振の力投だった。

 十五回。最後の打者を打ち取ると、新庄の田口は小さく左拳を握った。プロ注目同士の瀬戸内・山岡と繰り広げた、広島県の高校野球史に残る白熱の投手戦。初の甲子園を目指して雌雄を決する一戦で、エースたるゆえんを存分に示した。

 立ち上がりから制球が定まらず、九回まで三者凡退は七回のみと毎回のように走者を背負った。それでも要所をきっちりと締めるのが背番号1を背負う証しだ。

 0‐0の延長十三回には、絶体絶命の場面を乗り切った。先頭の沖繁に右越え三塁打を許し無死三塁。ここで迫田監督の指示で後続を敬遠。満塁策をとり、全ての塁を埋めた。「腹をくくって開き直って投げることだけを考えた」。岩城を遊ゴロ。本塁で封殺すると続く溝口、橘を連続三振。最高の形でピンチを切り抜けた。

 15回を投げ13安打を浴びながら無失点。速球は自己最速にあと1キロと迫る146キロを計測した。三振も19個を奪った。迫田監督は「ピンチもあったがいいボールを投げていた」と称えた。

 ライバルには負けられない。その思いを込めた213球の熱投だ。田口は身長170センチで最速147キロの直球とスライダーが武器。対する山岡も左右が異なるだけで身長はほぼ同じの172センチ、最速も球種も自身と同じだ。また、ともにプロから注目を集めるだけに「チームは瀬戸内と戦っているけど、僕の中では山岡と勝負しているつもり。本当にいいライバル」と対抗心を燃やした。

 29日は休養日となったため、再戦に向け体調を整える。「1日(試合が)空けばベストな状態に戻る。こういう試合をしたことで、余計に甲子園に行きたくなりました」。打倒・瀬戸内、そして打倒・山岡。大きな壁を乗り越え、甲子園のマウンドに立つ。

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