よし!いけるんじゃないか!

 【3月25日】

 東京五輪の延期が決まり、プロ野球の開幕もさらに延びる。もしかして、あの男…と思ってしまうのは、当方だけか。1月28日のインスタグラムを思い起こせば、これは彼にとって追い風なのか。

 「48回目の誕生日を迎えた朝、新たな夢が見つかったぜ!それは今年の開幕までにプロ野球選手になって、あのグラウンドにもう1度立ってみせようじゃないか!」

 あの日、新庄剛志はインスタで動画を公開し、3・20の現役復帰を宣言していた。亀新フィーバーの盟友・亀山努は僕に「新庄、どうするんだろね?あんなこといっちゃって」と笑っていたけれど、新庄を「嘘つき」と呼ぶのは、まだ早い。誰も予期しなかった新型ウイルスの蔓延によって、開幕は1カ月以上、動くのだから。

 「プロになる自信ですか?今の時点では1%しかない。でも、トレーニングを一生懸命やって、ある日突然、よし!いけるんじゃないか!という日がくるんですよ。それがいつかわかんないけど…」

 新庄が日テレ系の情報番組でそう語ったのは、自身のインスタで「もう1回プロ野球選手になろうと思います」と表明した昨年11月のこと。「1%の可能性があれば必ずできる」と語り、トレーニングを開始したようだけど、NPBのキャンプインを前に、前述の新庄宣言。もしかする、かも…。

 開幕までに現役復帰…ノムさんから「宇宙人」と名付けられた男ならば…と、「1%の自信」を現実にできるかもと思ってしまう。

 「新庄さんは本当にいい人でししたから。周りの方々との間の誤解を生みたくなかったというか、新庄さんが本当はこう思っているのに相手に伝わらないとか…。メディアとも、首脳陣とも、人間関係を構築する上で邪魔だけはしたくない気持ちは常にありました」

 懐かしそうにそう語るのは、北海道日本ハムで執行役員を担う岩本賢一。MLB時代の新庄を通訳でサポートしていた男である。

 メジャーリーガー新庄の成功は岩本通訳のおかげ-現地でそう語る人が少なくなかったほど、新庄にとっては大恩人。僕も「メッツ時代の新庄」の取材時に大変世話になった岩本である。やはり現役復帰宣言は気になるようで、「いやぁ新庄さん、どうされるでしょうね…」と気にかけていた。

 取材の限り、成功を遂げる外国人には、必ず「名脇役」「縁の下の力持ち」が存在する。新庄にとってその人は岩本だったと思うけれど、日本で活躍した外国人だってそう。近年の阪神ならJ・ウィリアムスやM・マートン、R・メッセンジャー、呉昇桓には「名脇役」と呼ぶにふさわしい通訳が寄り添っていた。彼ら抜きに、名助っ人を語ることはできないのだ。

 2月、3月の対外試合はこの日も含め、打率・189、打点3。J・ボーアである。先日、米国から夫人と長男が来日したB砲だから、浮上を期待する。そして、彼にも「名脇役」がいることを記しておく。「よしいけるんじゃないか」-新庄が語る前に、ボーアにそう語ってもらおう。予告していたV予想は延期します。開幕日が決まってから、必ず。=敬称略=

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