カープを凌ぐストロング

 【7月22日】

 あれだけ低調だったロサリオもトンネルに迷い込んでいた陽川もちょ~し、のっちゃって!もう横浜をホームにしたほうがいいんじゃない?そう言いたくなるほど、ここに来ると、虎は水を得た魚になる。今季DeNA戦はこれで10勝目。負けは4つあるんだけど、そのうち3つは甲子園で喫したもの。ハマスタでは7勝1敗と圧倒している。連覇した昨季のカープはこの球場で5勝8敗と大苦戦…相性って、分からないものだ。

 ランディ・メッセンジャーだってそう。初回ネフタリ・ソトに浴びたソロ弾が今年ハマスタで17イニング目の初失点。糸井嘉男も2夜連発で元気になったし、先発野手全員安打も言うことなし。他社のベテラン記者から「明日の朝も中華街のコンビニからデイリースポーツがなくなるなぁ~」とおだてられ(?)ながら、気分もアゲアゲで甲子園へ帰るとします。

 さて、ワッショイ、ワッショイはいいけど、ここは頭をクールに…。今年ホーム(主催)試合で8つも負け越している阪神である。「甲子園で勝てる野球」をいま一度、肝に銘じたい。読者もご存じのように、横浜スタジアムは狭くホームランの出やすい球場だ。この夜、阪神打線が放った4発は甲子園ならギリギリだったか。

 リーグ下位に沈む打力の潮目が変わるに越したことはない。でも広大なホーム球場で1試合に3本も4本もアーチを想定するのは、現実離れ。何度も当欄で書いているけれど、このチームのストロングポイントを活かす野球が勝つ為の最善…と僕は思っている。

 猛虎のストロング…いうまでもなく投手力である。03年と05年。リーグ制覇した両シーズンのチーム防御率がセ・リーグ最高だったことを思い返す。本年も現状、防御率はリーグトップだから、Vの条件を一つ満たしていることになる。当然ながら総失点も首位カープより少なく、リーグ最少。小学生でも分かる算数だけど、相手に最も点をやらないチームが阪神。数字に忠実になれば、すなわち、派手に得点しなくても勝てる計算が成り立つわけだ。もちろん、ブルペン負担など、大量得点によるアドバンテージを考えれば、それほど単純な話でもないけれど…。

 阪神のこの20年間の投手力をみれば、チーム防御率がリーグ3位以内だったシーズンは計14度あった。実は前和田豊政権の14、15年は2年連続同5位だったが、金本知憲政権の3シーズンは投手力に恵まれ、16年が同2位。17年は同1位。今季もこのままトップを譲らなければ、07、08年以来、10年ぶりに2シーズン連続の「防御率キング」に輝くことになる。

 前夜、試合後に横浜市内で「リリーフ投手会」が開催されたそうだ。食事会の中身まで窺い知れないが、藤川球児、能見篤史ら年長者が盛り上げたのだろうか。いずれにしても、虎の屋台骨を支えるブルペン陣が結束を固めるのはとても意義深い。さあ明日からカープを甲子園に迎える。怯まず戦おう。我がチームには王者を凌ぐストロングがあるのだ。=敬称略=

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