阪神・今朝丸 圧巻3回0封デビュー 高卒2年目度胸満点 藤川監督「立派なもんですね」六回満点ピンチも切り抜けた
「阪神1-5広島」(3日、甲子園球場)
阪神は連敗を喫した中、高卒2年目の今朝丸裕喜投手(20)が、2番手として四回からプロ初登板。六回に背負ったピンチも切り抜け、3回2安打2奪三振無失点という鮮烈なデビューを飾った。序盤からの劣勢で重い空気が漂った中、将来のエース候補が放った光に、虎党は夢を見た。
劣勢の聖地にその名がコールされると、雰囲気は一変した。「投手 今朝丸」。待ちに待った瞬間に、最高の熱投で応えた。今朝丸が2番手として四回からプロ初登板し、3回2安打無失点。高卒2年目、20歳の新鋭が圧巻デビューで光を放った。
「楽しかった。自分の投球ができたところは良かったです」
記念すべきプロ第1球。147キロの直球でファウルを奪った。ここからショータイムが始まる。石原を3球目の149キロ直球で一ゴロに打ち取ると、続く森からプロ初三振を奪うなど、あれよあれよと五回まで打者6人に完全投球。六回には高校の先輩・小園を直球で押し込んで左飛に打ち取り“報徳学園対決”に勝利してみせた。
しかし、野球の神様は試練も用意した。続くモンテロ、佐々木に連打を浴び、1死一、三塁。石原のセーフティースクイズは冷静な処理でしのぐも、森を歩かせ2死満塁。ここで1番・名原と対峙(たいじ)した。「どんどん攻めていった」。2球目にはこの日最速の151キロをたたき出すなど力を振り絞る。
表情は変わらない。しかし、内に秘めた闘志を示すかのように紅潮する顔に汗がしたたる。カウント1-2からの5球目。内角に渾身(こんしん)の148キロ直球を投げ切り、三ゴロに仕留めた。藤川監督も「素晴らしかった。ピンチをしのいだのもすごく大きい。立派なもんですね」と大絶賛。しかし、当の今朝丸はグラブを軽くたたいて「ふうーっ」と息を吐いただけだった。
先月2日に誕生日を迎えたばかりの弱冠20歳。なぜピンチの状況でこれほど落ち着いていられるのか。その理由は選手寮の自室に隠されている。
昨年1月、入寮する際に持ち込んだ一枚の色紙。阪神OBの鳥谷敬氏から授かった宝物を自室の最も見えやすい位置に置いている。記された言葉は「ピンチと思うな!チャンスと思え!」。今朝丸は「このピンチを抑えたら、攻撃でチャンスが生まれるんじゃないかと思えるようになった」と感謝する。偉大な先輩から受け継がれた精神を、プロ初登板で体現してみせた。
ロングリリーフとして6月19日に1軍初昇格を果たして約2週間。ようやく巡ってきた出番を、ファンは大歓声で後押しした。「たくさんのファンに応援されている実感が湧きました」。応援を背に投げ込んだ41球。それは虎の明るい未来そのものだった。
◆今朝丸 裕喜(けさまる・ゆうき)2006年6月2日生まれ、20歳。兵庫県出身。188センチ、75キロ。右投げ右打ち。投手。報徳学園から24年度ドラフト2位で阪神入団。報徳学園では1年秋からメンバー入りして2年連続センバツ準優勝。ストレートの質や変化球のキレなどが魅力の将来性豊かな高卒2年目。
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