阪神・近本 日本シリーズ9試合連続安打 崖っぷち5戦目へ「全員で自分たちらしくやるしかない」

 「SMBC日本シリーズ2025、阪神2-3ソフトバンク」(29日、甲子園球場)

 敗戦の中でも、阪神・近本のバットが光った。重苦しい空気をなんとか払拭しようと粘った。止まらない快音が、次戦への希望となった。大津に対し1打席目は見逃し三振、2打席目は空振り三振に倒れたが、ここから立て直すのが近本だ。

 2点を追う五回2死。2ボールから右腕の145キロ直球をはじき返した。中前へ運び、決して3人では終わらせない。得点にはつながらなかったが、これが日本シリーズ9試合連続安打に。23年の日本シリーズでは第3戦から第7戦に安打を放っており、今年の同シリーズでも初戦から快音を響かし続けた。

 28日の試合で球団新記録の8試合連続安打をマークし、この日、自身の記録をさらに更新する形となった。ただ、快音が続いていることには興味を示さない。「勝ちにつながるように明日も頑張ります」。求めるのは勝利を導く一打だけだ。

 試合終盤、反撃の起点となったのも近本だった。拙攻が続いた中、3点を追う八回だ。1番からの好打順で役割を果たした。先頭でカウント2-1から松本裕の148キロ高め直球を果敢にスイングした。打球は二塁手の横を抜け、中前へ。嫌な空気を断ち切る一打でチャンスメークし、1点差まで追い上げる猛攻を呼んだ。

 チームは崖っぷちに立たされたが、近本は試合後も強気だった。勝ちパターンからの得点を導いたことにも、「明日は勝っていたら投げることないんでそんなに。勝ってのことしか」ときっぱり。近本の頭の中には「勝つ」ことしかなかった。

 23年の日本シリーズでは計7戦で14安打を放ちMVPに輝いた。“日本シリーズ男”は今回も健在だが、試合が終われば切り替える。相手に王手をかけられたが、気持ちは前を向いている。「明日は明日なんで。また全員で自分たちらしくやるしかないかなと思います」。勝つしかない。大逆転ロードを導く快音を響かせる。

 ◆近本が日本S9戦連続安打!球団記録更新!! 近本が自身の球団記録更新となる日本シリーズ9試合連続安打。近本は2023年第3戦から安打を続けている。球団2位は7試合で吉田義男(62年第1戦~62年第7戦)、鳥谷敬(05年第2戦~14年第4戦)。他球団では西武・石毛宏典の17試合連続(85年第5戦~88年第1戦)などがある。

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