阪神・豊田 プロ初打点「ほっとした。素直にうれしい」 オフに打撃改造→結果出ず開幕2軍も新しい形模索
「広島2-5阪神」(30日、マツダスタジアム)
センターフライだろう-。それでもぐんぐん伸びる白球を見ながら走る。落ちた打球を見届けた阪神・豊田寛外野手(28)は二塁ベース上で両手を高く上げてガッツポーズ。「ほっとした」。プロ初打点を挙げ、優しい表情で笑った。「今(プロ初打点を)知ったって感じです。素直にうれしい」。試合後にそう振り返るほど、打席での集中力は研ぎ澄まされていた。
2点リードの九回1死二、三塁。石井の代打で打席へ。「先輩たちがつないでくれたチャンスだったので。どんな形でも1点欲しい、自分自身も1点欲しいと思って」。塹江に直球攻めされながらも、内角に来た4球目の154キロ直球に食らいつく。貴重な追加点となる適時二塁打をマークした。
プロ4年目。自身の立場を理解しているこそ、持ち味の打撃力向上に意識を置いた。オフシーズンに打撃フォームを変えるなど試行錯誤。ただ「オープン戦でなんか違うなって」。思うように結果が出ず、開幕を2軍で迎えた。
その分、ファームは価値ある時間となった。「いろいろ映像とか見て。去年に戻そうとかも思ったけど、今の位置がいい感じで収まっている」。腕の位置が少し上がるなど、細かい分析で新しい形にたどり着いた。「映像を見比べたら変わってるなってわかるけど、自分の中では一緒の感覚」。見た目の変化はありながらも、いい状態の時と同じ感覚で安定してバットが振れるようになったことが最大の進化だ。
ここまで7試合で9打数4安打、打率・444。今季初昇格から頼もしい数字を残している。さらに代打では6打数4安打、打率・667。「欲を出さずに打席に立つ前に準備だったり、頭の中を整理して立つってことは心がけてやっています」。“新・代打の神様”の姿が見えてきている。
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