角和夫さんが死去 阪急阪神HD元会長 岡田氏招へい23年日本一の礎 岡田顧問「同窓の大先輩」ショック隠せず

 阪急阪神ホールディングス(HD)の元会長で、経営を20年超の長期にわたって主導した角和夫さんが死去したことが7日、明らかになった。同社が発表した。4月26日午前1時10分、自宅で逝去した。76歳だった。葬儀・告別式はすでに行われ、後日、お別れの会を開くが日程は未定。角氏は22年に阪神の監督に岡田彰布氏の招へいを主導し、18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりとなる日本一を達成した。

 虎党の悲願をかなえた関西経済界の重鎮がこの世を去った。角氏は22年に阪神の監督として、親交の深い岡田氏の招へいを主導し23年にリーグ優勝と日本一を達成した。昨年秋、デイリースポーツの取材に応じた際には「立派なもんですね。期待通りの采配、野球理論。チーム運営もいい。岡田監督に頼んだのは正解だった」と手腕を評価していた。

 岡田オーナー付顧問にとっては、常に背中を押してくれる存在だった。角氏は23年1月に京都市内で開催された「メンバーズ80 岡田会」にも出席。岡田監督誕生の舞台裏を明かすとともに「“阪急タイガース”というのは決してない。阪神タイガースはいつまでたっても阪神タイガース」と明言。「老兵ですので、ファンへ最後のご奉公」とエールを送っていた。

 訃報に際し、岡田オーナー付顧問はショックを隠しきれないようだった。球団を通して「突然のことで非常に驚いています。昨年監督を退任した際には、マスコミを通じて労いのお言葉を拝見したりと、同窓の大先輩として温かく見守っていただきました。あらためて感謝の意を表するとともに、心よりご冥福をお祈りいたします」との哀悼のコメントを寄せた。

 角氏は73年に阪急電鉄(現阪急阪神HD)に入社し、常務などを経て03年に社長に就任。村上ファンドによる株式大量取得問題に揺れた阪神電鉄との経営統合を決断し、06年に阪急阪神HDの社長に就いた。阪急大阪梅田駅周辺の再開発などを通じてグループの収益力を高め、17年に会長に就任し、昨年12月に「健康上の理由」からHDの会長を退任。11年から25年まで関西経済連合会の副会長を務め、阪急電鉄が運営していた宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)では理事を務めるなど関わりが深かった。

 ◆角 和夫氏(すみ・かずお)1949年4月19日生まれ。兵庫県宝塚市出身。73年3月に早大政経学部を卒業、同年4月に阪急電鉄に入社。常務取締役などを経て03年に社長に就任。阪神電鉄との経営統合を決断し、06年に阪急阪神ホールディングス(HD)の社長に就いた。関西経済連合会の副会長を長きにわたって務め、関西経済の財界活動に大きく貢献した。

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