阪神・近本 頭脳プレーで併殺 グラブ上げて下げて走者ほんろう「練習でやっていた」

 「阪神(降雨ノーゲーム)ヤクルト」(10日、甲子園球場)

 阪神・近本が見せた一瞬のしぐさに野球脳の高さが凝縮されていた。欺かれた一走の茂木は膝に手を突いて落胆。うなだれる姿がいかに衝撃的なトリックだったかを物語っていた。

 二回無死一塁。中堅前にフラリと上がった飛球の落下点に近本は走った。走行中に一瞬グラブを上げて捕球姿勢のフェイクを見せた後に打球をがっちりと捕球。すかさず一塁に送球し、二塁ベース付近で戸惑っていた一走の帰塁を許さずに併殺を奪った。「あそこが一番ランナーとして難しいところ」と走者の動きを見ながらのプレーであったことを認めた。

 トリックプレーではあるものの、極めてまれなパターンだった。通常、外野手が捕球姿勢のフェイクを見せるのは打球に追いつかないと判断した時であり、走者のスタートを遅らせる効果がある。今回のプレーはその逆。打球を捕れると判断して、なおフェイク動作を見せたことで、打球判断に迷う走者の頭をさらに困惑させた。セオリーを無視したとっさの動きで一走・茂木を二塁ベース付近で一瞬、静止させることに成功した。

 「ああいうことは練習でやっていた。試合で使うことはないとは思っていましたけど、うまく決まって良かったと思います」。4年連続4度のゴールデングラブ賞を誇る虎の名手の実力を存分に見せつけた。

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