阪神・藤川監督「すごくいいゲーム」 佐藤輝を変えた“球児効果” 記念の1勝目にはじけた笑顔
「広島0-4阪神」(28日、マツダスタジアム)
マツダに吹く春の夜風が心地いい。阪神・藤川球児監督(44)は大事そうにウイニングボールを握りしめた。真っ赤に染まる敵地で会心の開幕星。「みんなが明るく今日1日を終われたことで、非常にホッとしてます。すごくいいゲームができたと思います」。記念の監督1勝目に自然と笑みがはじけた。
ハイライトは4-0の九回。完封ペースの村上は1死一、三塁とピンチを広げる。それでも藤川監督は動かなかった。4番・モンテロを二飛に打ち取ったところでさっそうとベンチを出る。「球数(135球)も多いし、後ろのピッチャーがたくさんいますから」。決断に迷いはない。最後は岩崎が秋山を見逃し三振に。「チームにとって大きな1勝。結束力がまた高まった」。指揮官は満足そうにうなずいた。
就任以来、類いまれなコミュニケーション能力で、選手の能力を引き上げてきた。潜在能力を解放しきれない佐藤輝もその一人。普段から気さくに声をかけ、「佐藤を見てほしい」と親交の深い糸井SAにはキャンプ臨時コーチを依頼。ポジティブな“球児効果”で佐藤輝は変わった。「やりやすい。やりたいことができている」と佐藤輝。「野村監督の新庄への接し方に似ている」。球団幹部の1人は操縦術にうなった。主力との意思疎通もバッチリ。近本には盗塁増を求め、大山には「打点にこだわってほしい」と明確なメッセージで背中を押してきた。
その期待通り、佐藤輝が先制2ランを放てば、八回の二塁打から好機をつくり、大山、前川がタイムリー。理想的な試合運びも藤川監督はすぐさま引き締めた。「カープの攻撃も四球で出るだけでいろんなことが起こりますから」。2年ぶりVロードへ、若き将は「球進一歩」に突き進む。
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