阪神・才木 3度目の正直!今季初白星 ピンチに動じず7回1失点「気持ちで負けないように」

 「中日1-2阪神」(14日、バンテリンドーム)

 力強く右拳を握り、大きくほえた。七回。最後のヤマ場を乗り越えた阪神・才木浩人投手は中日ファンの悲鳴の中で感情をむき出しにした。連敗を止め、打線を鼓舞した116球。「やっと勝てました」。3度目の登板でつかんだ今季初勝利に声がはずんだ。

 7回4安打1失点。6連勝中だった中日にほぼ隙を見せなかった。二回2死一、二塁で昨季まで同僚だった山本に先制の左前適時打を許したが、三回以降は安定。2巡目に入った四回からは110キロ前後のカーブも交えて的を絞らせず、自身と同じく右肘のトミー・ジョン手術を受けた梅津と投手戦を展開した。

 勝負どころでは気迫も見せた。1点を勝ち越した七回。先頭の中田に右中間二塁打を許した。

 「ツーベースを打たれて気持ちが入った。点が入った後だったし、気持ちで負けないように」

 2死二塁までこぎつけた後、木下のゴロを佐藤輝が送球ミス。それでも集中力は切れない。岡田監督のリクエストでリプレー検証中も投球練習を続けた。判定が覆らずに2死一、三塁となった後は、先制打を許した山本を外角直球で空振り三振。バックスクリーンの方向を向いて、高ぶった感情を爆発させた。

 進化を示した投球だった。山本に投じた116球目は149キロ。99球目にも150キロを計測しており、最後まで球威は衰えなかった。肉体改造の成果でもある。「フィジカルを大きくして、出力を上げたいと思って」。今オフは、6勝を挙げた18年のオフ以来となる本格的なウエートトレーニングに取り組んだ。

 前回は筋肉がついて体の動きが変わったこともあって19年5月に右肘を痛め、20年11月のトミー・ジョン手術を受けた。今回はウエートトレーニングと並行し、野球の動きへつなげるトレーニングも実施。肩甲骨の動きなど体のバランスが崩れないように気をつけた。

 栄養士の助言で、オフの食事も改善。一人暮らしをしているため、母・久子さんに作り置きをしてもらうなど食べる物にも気を配った。

 昨年から体重は4キロ増。今までで最も重い92キロになった。オープン戦での試行錯誤を経て、開幕後は安定した投球を継続。まだ登板3試合だが防御率は1・42だ。22年7月3日にトミー・ジョン手術後初勝利を挙げたバンテリンドームで、飛躍を予感させる1勝目をつかんだ。

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